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食えない末端ヤクザの切なすぎるシノギ。古本の転売で日銭を稼ぐ日々

 福岡市で7億5000万円相当の金塊が強奪された事件だけでなく、同じく福岡市で約4億円が強奪された事件も、前出の幹部によれば「暴力団から指示された半グレの仕業」である可能性が高いのだという。 「オレオレ詐欺とまったく一緒で、画を書く(計画を練る)のがヤクザの仕事。下請けの半グレ達には、車や携帯電話などの道具の準備が整った段階で一気に指示を出す。福岡には、良いS(スパイ)がいたんでしょう。それでも、これだけの大仕事が舞い込んでくるのは稀。札幌や広島といった地方都市の老人を狙う、新たな詐欺計画の噂もあります」  こういった「大物」事件に関わる暴力団員がいるかと思えば、先述のように細々とした転売をシノギにする暴力団員もいる。動画サイト「FC2」での動画販売をシノギにする篠崎さん(仮名・42歳)は、儲かりすぎて暴力団をやめてしまった一人だ。 「売り掛け(ツケ払い)や借金で首が回らなくなった風俗嬢を、地方の風俗で働かせる紹介業みたいなことをやってたんだけど、女達と俺のハメ撮り動画が売れるんじゃないかと思って販売したところ、1日で200本が売れた。動画1本が1000円で、そのうち3割がサイトに引かれて、手元には14万円近く入ってきた。女にいくらか払っても、女とヤレてカネになる最高の商売だと思ったよ(笑)」 ゴミ捨て場のカラス

ヤクザとしてのプライドを捨て去る時…

 もはや「暴力団員」である必要性を感じなくなった篠崎さん。今では風俗嬢斡旋からもすっかり身を引き、カネに困った女性をナンパし、ハメ撮りに明け暮れる日々を送る。 「暴力団員ってだけで、わずかな罪で捕まり、塀の中にぶち込まれる。ヤクザでカネが稼げない。だったらヤクザなんかやる意味ないじゃん、って思う若い連中が増えたんです。連中には親(組長)や上司がいないから、歯止めがきかない分、余計にタチが悪い。暴力団という名前が消えても、悪が消えるわけではありませんからね」  こうしたヤクザとしてのプライドさえも捨て去った連中は、今後どういったシノギに手を出すのだろうか。 <取材・文/伊原忠夫>
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