更新日:2022年12月28日 18:19
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ラジオで話題騒然!ジャパメタの隠れた超絶女性ヴォーカル JUNKOの正体

超絶女性ヴォーカルJUNKOの正体

三原じゅん子が“JUNKO”名義で1985年に発表したヘヴィメタル・アルバム『SO DEEP』

 JUNKOとは、現在、参議院議員を務める三原じゅん子のことである。70年代にアイドルとしてデビューし、女優業でも活躍、『金八先生』第1シリーズに出演し、「顔はやばいよ、ボディやんな、ボディを」の名セリフを残した、あの三原じゅん子だ。まずは、歌い手への興味の部分はクリアだ。  参議院議員としても、国会で『機動戦士Zガンダム』のハマーン・カーンを彷彿させる名演説で、「民主党のみなさん、恥を知りなさい!」という名言を残すなど、活躍中である(連載第4回参照)。

「民主党のみなさん、恥を知りなさい!」迫力の国会演説が、ガンダムシリーズのハマーン・カーンをほうふつさせるとガンダムファンの心を掴んだ自民党の三原じゅん子参院議員(youtube「三原じゅん子チャンネル」より)

 三原じゅん子が、1985年に発表した『SO DEEP』は、本格的なヘヴィメタルのアルバムだ。同アルバムには、LOUDNESS、EARTHSHAKER、44MAGNUM、そしてのちに筋肉少女帯に加入する橘高史彦などが楽曲提供している。さらにギターを弾いているのはなんと、のちのB’zのギタリスト=松本孝弘!  つまり本アルバムには、80年代ジャパニーズメタルの代名詞バンドおよびプレーヤーが揃っているのである。これで、日本のヘヴィメタルを代表しているという部分もクリア。  そして、「Wire Rock」は、橘高氏と福田純氏(AROUGE)が作曲を手掛けたスピード・チューン。同アルバムには、LOUDNESSの「Angel Dust」のカヴァーも収録されており、こちらの紹介も考えたが、JUNKOの音程がヤバすぎて断念した(笑)。  とりあえず本楽曲「Wire Rock」が、もっともテンポが速くメロディアスで、ヘヴィメタルらしかったので、これに決定。本楽曲については、番組のディレクター氏と本連載の担当編集氏、両者とも楽曲のクオリティの高さに驚いていたことを付け加えておく。  以上のように、理詰めで考えていった結果、JUNKO「Wire Rock」をジャパメタの代表曲とさせていただいた。とは言え実情としては、メタラーの多くが知らず、聴いたこともなく、素通りしてきたアルバムでもある。  前々回、紹介させていただいたジャパニーズメタルを特集した雑誌やムックにも、ヘヴィメタル歌手としてのJUNKOおよび彼女のアルバム『SO DEEP』は、まったく取り上げられていない(いや、『ヘドバン』は取り上げていた。さすがである)。ではなぜ、このような事態になっているのだろうか…?
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ローカライズされた“ジャパメタ”
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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