更新日:2022年12月28日 18:19
エンタメ

ラジオで話題騒然!ジャパメタの隠れた超絶女性ヴォーカル JUNKOの正体

ジャパメタが洋楽と邦楽を結びつける

 “本場の味”はよそ者の口に合わない事も多い。それは、彼らが親しんできた文化や歴史と違いすぎるからである。そこで、その土地に住む人々の感性に合うようにチューニングすることは、決して批判されることではないだろう。  本場の味を尊重するか、いっそのこと日本人の感性に振り切るか。その狭間で呼吸しているのが、日本のヘヴィメタルである。日本のヘヴィメタルは、勃興からすでに40年近くが経過し、国産化(土着化)の時代はとうの昔に終わっており、現在は国産化されたメタルが海外進出している。日本のヘヴィメタルは、今や洋楽と邦楽、世界と日本を結びつける接着剤の役割を果たしていると言えよう。  社会風土が違えば、別の新たな文化が生み出される。私たちは、社会風土に合わせてローカライズされた文化を自由に楽しんで良いのではないか。もちろん、本場に対しての敬意を表すことは当然で、どこぞの国の民のように、他国の文化を自国発祥と嘘の主張をしてはいけない。そのような他国文化を汚す主張を行なっている卑劣で恥知らずな連中に対しては、筆者は全力で批判する立場である。

海外のメタラーは“日本独自のメタル”を歓迎

X(X JAPAN)のメジャー・デビューアルバム『BLUE BLOOD』(1989年)

 日本のヘヴィメタル黎明期の80年代ジャパニーズメタル・シーンには、実は、歌謡曲のような親しみやすいメロディを持つバンドおよび楽曲は少なくなかった。筆者がラジオで紹介させていただいたJUNKOのアルバム『SO DEEP』もそのなかの1枚だ。またインディーズメタル・シーンにも、X(X JAPAN)のほかに、FLYING VISIONやVANISHING POINTなどの歌謡曲臭の強いバンドが存在していた。  しかしそれらの多くは、歴史のなかに消えていった。洋楽メタルを保守本流とする考え方、そして日本のメタルに対する蔑視や偏見が渦巻くなかで、叩かれたり笑われたり無視されたりして、散っていくケースも見られた。  だが時が経ち、現在のジャパニーズメタルは、独自の進化・深化を見せている。また、ほかの音楽シーンにもメタルの要素が入り込み、深く浸透している。その上、X JAPAN、JAM Project、BABYMETALなど芸能・アニメ・アイドルのテイストが含まれたアーティストらの海外での活躍も目覚ましい。海外のメタラーは、正統派ではなく、日本独自のメタルを歓迎しているのだ。この流れは今後、さらに加速していくだろう。We Are JAPAMETA,ジャパメタ・フォーエバー!
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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