更新日:2022年12月28日 18:19
エンタメ

ラジオで話題騒然!ジャパメタの隠れた超絶女性ヴォーカル JUNKOの正体

ローカライズされた“ジャパメタ”

 取り上げられない理由は、ただひとつ。三原じゅん子が、日本の芸能界で活躍する芸能人だったからである。ヘヴィメタルのメディアは、芸能界や歌謡曲寄りのメタルを蔑視してきた。  ヘヴィメタルは英国発祥であるから、音楽の内容以前に洋高邦低意識が先に立つ。まして、歌謡曲の要素が入っていたり、アイドルが歌ったり、アニソンに使用されるなどの、日本人の感性および国内の音楽ビジネス事情に合わせたメタル=“ジャパメタ”は、冷遇または無視される傾向が根強かった。  つまりヘヴィメタルのメディアは、ヘヴィメタルがローカライズ(土着化)されることを拒否してきたのである。  しかし筆者は、この傾向に対して真っ向から対立する立場だ。他の例に例えてみれば、ローカライズされたものを冷遇または拒否することが、いかに馬鹿馬鹿しいことかがわかる。  例えば食べ物で考えてみよう。日本ではパスタが人気だ。地方にも専門店が立ち並び、また昭和の時代から、ケチャップソースで炒めたナポリタンが定着している。しかし正統派メタルしか認めないメタラーは、保守本流イタリアのパスタしか認めず、ナポリタンや明太子スパゲッティは認めないということになる。  ほかにカレーに例えれば、保守本流である本場インドカレーしか認めず、日本独自の進化を遂げたカレーライスやカレーうどんなどは認めないということでもある。  逆の例、つまり日本が本場の食べ物に例えてみよう。寿司という食べ物は、頑固な寿司職人が握る伝統的な寿司と、回転寿司および海外で奇形化する寿司の2系統がある。前者の伝統的な寿司に信念を持つ者は、後者のオリジナリティ溢れるハンバーグ寿司や海老マヨ軍艦、カリフォルニアロールなどは認めないだろう。  筆者は、日本独自のスパゲッティやカレーライスが好きだ。そして、寿司職人が認めないであろう創作寿司も好きだ。本場のものとはかけ離れていても、美味しければOK。伝統はもちろん大切だが、多様性を否定はしたくない。
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海外のメタラーは”日本独自のメタル”を歓迎
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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