更新日:2022年12月28日 18:20
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西城秀樹は洋楽ロックもメタルもアニソンも歌った! 日本歌謡界の地平を開いた功績をたどる

ヒデキはあのアニソンも歌っていた!

 90年代、ヒデキはアニソンも歌っている。66枚目のシングル「走れ正直者」(1991年)は、TVアニメ『ちびまる子ちゃん』の二代目エンディングテーマ(第66話~142話)に起用された。まる子の姉=さきこは、氏をモデルにした“ヒデキ”のファンであり、またさきこの声優=水谷優子は、2年前(2016年)の5月17日(秀樹と1日違い)に亡くなっている。  1999年発表の79枚目のシングル「ターンAターン」は、なんとTVアニメ『∀ガンダム』(1999年)のオープニングテーマに使用された楽曲だ。カップリング曲「月下美人」は挿入歌として起用された。どちらも作詞は富野由悠季監督である。ヒデキの起用は、作曲者である小林亜星からの推薦だったそうだ。

ヒデキがTVアニメ『∀ガンダム』のOPテーマを歌ったことで話題となった79枚目のシングル「ターンAターン」(1999年)

 ロボットアニメともっとも相性の良いHR/HMのカヴァーを歌っていたヒデキが、ロボットアニメの保守本流そしてオリジネイターである富野ガンダムのTVアニメのOPテーマを歌うのは、奇跡的な巡り合わせと言えよう。これは神が仕組んだのかもしれない。  ヒデキは、アイドルでありながら、日本語ロックのオリジネイターであり、洋楽ロックの伝道者であり、歌謡メタルのルーツの1人でもあった。日本の歌謡曲界に、洋楽とロックの架け橋の役割を果たした氏のご冥福を、心よりお祈り致します。
(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)
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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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