更新日:2022年12月30日 09:46
スポーツ

水球ジャパン代表・風間祐李、初のオリンピック出場で金メダル宣言

シュートは「絶対に入れる」の気持ちで

 光が見えない暗闇の中で、もがき続けた。とにかく自分の何かを変えなくてはいけない。では、何を一番に変えるべきか? それは気持ちの部分じゃないかと風間は考えた。当たり前だが、練習はきつい。「もう嫌だ。やりたくない」という感情が生まれてくる。でも、そうやって甘ったれた考え方をしているから代表落ちをしたと自分に言い聞かせた。風間は「自分の中に鬼コーチがいるイメージ。『そんなことだから代表を落とされるんだ!』って常に怒られているんです」と今の心情を解説。これについては加藤監督も「祐李は昔から知っているけど、大きく変わったのはメンタル面」と同意する。 「日本の水球は決定力不足と言われるんです。たとえば同じ技術の選手が2人いても、『入るかな?』と思いながら打つシュートと、『絶対に入れる!』という気持ちで打つシュートでは精度がまるで違ってくる。こういう強い気持ちが特に国際舞台では大切なんですけど、同時にメンタルっていうのは一番教えづらい部分でもあるんですよね」(加藤監督)  今の目標は、言うまでもなく東京五輪。初のオリンピック出場で初の金メダル獲得を本気で考えているのだ。昨年のユニバーシアードで、女子日本代表は数々の強豪国を破って銅メダルを獲得。これは日本水球界において歴史的な快挙であり、オリンピックでの金メダル獲得があながち夢物語ではないと関係者もザワついた。 「まだまだ女子の水球は競技人口も少ないし、お金の面も含めて社会人になってから続けるのは大変というのが実情なんです。私たちがオリンピックで金メダルを獲ることで、今、全国で頑張っているジュニアの子たちに希望を与えられたらいいなって思いますね」 〈取材・文/小野田衛 企画・撮影/丸山剛史〉 【かざま・ゆり】 1996年10月3日、埼玉県生まれ。秀明大学4年生。身長159cm。A型。右利き。ポジション:ドライバー。10歳のとき、川口水球(川口スイミングクラブ)で水球に出会う。秀明英光高等学校、秀明大学と進学し、その間もジュニアオリンピックカップ(JOC)で優勝を重ねたり、野球のベストナインに相当するベストサーティーンに選出されるなど、驚異的な成績を残す。好きなアーティストは阿部真央、シェネル。趣味は料理。「といっても女子力自慢的なものじゃなくて、典型的なアスリートメシですけど(笑)。時間があるとき、大量に作り置きしておくんです」
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