更新日:2022年12月30日 09:53
エンタメ

YOSHIKI×影山ヒロノブ&きただにひろしの奇跡のセッションが照らしたアニソンとジャパメタの未来

オタクに対する認識の変化

 オタクに対する認識の変化についての3人のやりとりも、実に興味深かった。海外で活躍するアーティストおよび海外リスナーが、オタクを好意的に捉えているのである。 影山「昔はアニソン好きって言うと、『あー、オタクだろー!』って言われた時代もあるんだけど、ここ20年くらいすごく、若い人たちが、自分が元気を得るためのアイテムになったような感じで、すごく市民権を得てきたというのはすごく感じます」 YOSHIKI「オタクがカッコいい時代になっていますよね」 影山「海外の人たちだと、アメリカに、オタク・コンベンションを略してオタコンとか、そういうイベントとかに何十万人という若い人が来て、みんな『オタクイェーイ!』とドカーンと盛り上がっているんですね。多分イメージ的には、『オタク』っていうのは、マニアのかっこいい称号っていうか」

OTAKON公式ウェブサイト

進行役「“突き詰めてる”ってカッコいいことだと、世界が変わってきましたよね」 YOSHIKI「多分彼ら(筆者注:オタク)なしに、X JAPANは成り立たないと思います」 進行役「音楽性にしても、ヴィジュアル系とアニソン、少しハードなロックなものもあったり、ちょっと共通するような部分もありますよね」 YOSHIKI「そうですね、かなり近い気もしますね」 きただに「そうですね」  影山は、「ここ20年くらい」という感覚を述べているが、実際にオタクが市民権を獲得しはじめたのが1990年代後半頃だ。1995年にTVアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』が放送され、同番組は一般層を巻き込むヒットとなる。同年は、プラモデル「マスターグレード(MG)ガンダム」発売により出戻りモデラーの大人が激増し、さらに翌1996年、「アニメタル」が社会的な盛り上がりを見せた。この時期、オタクと一般層の垣根が一気に低くなったのである。
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YOSHIKIがJAM Projectでピアノを弾く日
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(やまの・しゃりん)漫画家・ジャパメタ評論家。1971年生まれ。『マンガ嫌韓流』(晋遊舎)シリーズが累計100万部突破。ヘビメタマニアとしても有名。最新刊は『ジャパメタの逆襲』(扶桑社新書)

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ジャパメタの逆襲

LOUDNESS、X JAPAN、BABYMETAL、アニメソング……今や世界が熱狂するジャパニーズメタル! !  長らくジャパニーズメタルは、洋楽よりも「劣る」ものと見られていた。 国内では無視され、メタル・カーストでも最下層に押し込められてきた。メディアでは語られてこなかった暗黒の時代から現在の世界的ブームまでを論じる、初のジャパメタ文化論。★ジャパメタのレジェンド=影山ヒロノブ氏(アニソンシンガー)の特別インタビューを掲載!

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