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大谷翔平の命運は?「トミー・ジョン手術」を受けた日本人投手たちのその後

和田毅 2016年には最多勝タイトルを獲得!

 和田毅(37歳)がトミー・ジョン手術を受けたのは、メジャーリーグに移籍した2012年のことだ。シーズン開幕前のトレーニング中に左肘の違和感を訴え、開幕を待たずにチームから離脱。このときの検査では靭帯に異常は見つからなかったのだが、様子を見ながら調整を行っていたところ、左肘の靭帯を部分断裂してしまい、トミー・ジョン手術を受けることに。  2013年に復帰したものの、今度は太ももや左肩といった、左肘以外の故障を連発。けっきょく、2015年までメジャーリーグに在籍して、通算5勝という結果に終わってしまった。  しかし、2016年に日本球界に復帰したときの活躍は目を見張るものだった。なんとシーズン15勝を上げ、35歳にして最多勝のタイトルを獲得したのである。さまざまな故障を克服したその姿からは、不屈の闘志を感じた人も多かったのではないだろうか。
和田

福岡ソフトバンクホークス公式サイト、選手名鑑より

田澤純一 防御率・登板回数が減少気味…

 日本球界を経由することなく、メジャーリーグに活躍の場を求めた田澤純一(32歳)。契約初年度である2009年からメジャー登板を果たしており、活躍が期待されていた。しかし、その翌年、前々から抱えていたという右肘の違和感の悪化を訴えたため、精密検査をしたところ靭帯の損傷が見つかったため、手術を受けることに。  術後はリハビリのためにシーズンを全休し、2011年に復帰。その後はリリーフ投手として大活躍しており、2013年、2014年の2年間で計70試合以上の登板をしている。特に2013年には、所属していたボストン・レッドソックスのワールドシリーズ制覇の原動力にもなった。  2015年以降も中継ぎ投手としての登板を重ねている田澤だが、全盛期の登板過多により右肩に故障を抱えてしまっている。最近は防御率が悪化しており、登板数も減少しているのが気になるところ。
田澤

Official Los Angeles Angels Websiteより

 ――復帰した選手たちを見る限り、トミー・ジョン手術は肘の状態改善に有効なようだ。ただし、シーズンをひとつ棒に振らなければならないほど長いリハビリ期間を要するため、試合における“勘”を取り戻すことや、継続して活躍できる体をキープすることは難しいのかもしれない。二刀流である大谷は、トミー・ジョン手術を受けた場合、打者として試合に出ながらリハビリをすることになるだろう。投手として復活するまでには、険しい道のりがまっているのかもしれない。<文/後藤拓也(A4studio)>
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