自分一人で稼ぐ力を身につける
与沢:そうなんですよ。例えば1億円儲かることが保証された投資があったとしますよね。でも私は、それだと嬉しくないし、乗りたくない。そんなので儲かるお金だったらいらないですよ。たとえ時間がかかっても、誰の力も借りず独力で稼ぎたい。「自分一人で稼ぐ力」をつけることに意味があるし、そこに生きがいを感じますね。
箕輪:そこ、一貫してるんだよなあ。“お金のウラ”にある経験や見たことのない世界を欲しがっていたのは、当時から変わっていないんですよね。
与沢:私は「ワクワク感」がなくなると動けなくなってしまうんですよ。日本を出ようと思ったのも、日本でひと通りのことをやって楽しみも物欲もなくなったから。でも、金融国家であるシンガポールやドバイを見たとき、「ここには自分が知らない世界がありそうだ」と可能性と熱量を感じて、すべてにワクワクしましたね。
箕輪:与沢さんは日本にいた頃、相当なトラブルも経験していますよね。男の魅力とか仕事力ってそこだと思っていて、通った修羅場はもう一度来ても、もう動じなくなりますよね。
与沢:一度経験していればどんなトラブルも淡々とこなすことができて、免疫ができるんですよね。
箕輪:与沢さんは、その“トラブルの年輪”が尋常じゃないからカッコいいんだと思う。
与沢:理屈じゃないんですよね、「経験」って。残念ながら、読書しても学ぶことができない。
箕輪:与沢さん変わったのかなと思うところは、地獄だとわかってあえてアクセルを踏んでいるヒリヒリ感があったんですよね。
与沢:そうそう、「こんなのが続くわけない」とわかって続けていたところがあった。でも、家族ができて、海外でのんびり暮らしていると性格も温和になってくるので、もうあの地獄は体験しないようにと予防できますね。
与沢翼氏
何でも経験しないとダメだと思って“巻き”で生きてきた
箕輪:20代でネオヒルズ族と呼ばれていたところから本当に一文無しになるなんて、31歳であの経験ってすごいですよね。
与沢:何でもひと通り経験しないとダメだと思って、“巻き”で生きてきたからね(笑)。逆にこの5年、箕輪さんを見ていて、めちゃくちゃ成長していますよね。
箕輪:ありがとうございます。僕の強みって『ドラゴンボール』の「セル」みたいなところがあって、吸収して自分の能力に変えてしまうところだと思うんですよ。普通の編集者は他人の話として取材をしてるんですけど、僕はその人になりたくて、自分が成長するため、お金持ちになるために取材をしている。僕は、そういう人たちの“集合体”でしかないんですよ。
与沢:箕輪さんだって会社員だから、会社員でもここまで変われるということなんですよね。なぜそこまで人を動かせるのか、私も見ていてすごいと思いましたね。
箕輪:僕が「個人」として興味があるからというのが大きいと思います。自分も成長したいと思うとただの“担当編集者”ではなく、「個」と「個」の付き合いになる。
与沢:人と人との繫がりってそういうことですよね。それと、「興味」って超大事だと思っていて、結果を出すか出さないかは興味を持てるかどうか。関心を持つからどんどんこだわったり熟練していくんですよ。「関心がない」というのが会社員、いや人間にとって一番いけないことだと思いますね。