「簡単にいえば、店の客を他の店に流す行為ですね。タチが悪いものになると掛け持ちしている店に客を流すキャバ嬢もいます。基本、キャバクラは掛け持ちNGなのですが、エリアが違う店の掛け持ちまでは把握できないんです。以前、僕が働いていたキャバクラは郊外にあったんですが、客は地元で有名な地主とか建設会社の社長とか割とお金持ちが多かったんです。 　店はかなり儲かっていたんですが、キャストの給料は売上ではなくて指名本数制。ナンバー入りしているキャストでも月収30万～50万円くらいで、売上下位のキャストは全然稼げなかったんです。そんなある日、売上下位のB子というキャストが、店の上客から場内指名をもらったんです。その上客がそれまで指名していたキャストは既に店を辞めていたので、これからはB子が引き継いで店に呼んでくれるようになる……と期待していました」 　だが、B子がその上客を店に呼ぶことは一度もなかった。 「それからしばらくして『B子が他の店と掛け持ちしているんじゃないか』という噂が流れ始めたんです。まさかと思い、キャバクラで働きたいと言う知り合いの女の子にお願いして、B子が働いていると噂される店に送り込んでみたら……ビンゴでした。その店の給料は売上制だったので、彼女はその上客だけでなく店でヘルプに付いた客にも裏で営業を行っていたようです。当然、すぐにクビにしましたよ。今後はグループ店で働くことも許されない、いわば出禁ですね」 　どんな事情があろうと、闇営業がご法度なのは芸能界も水商売も同じ。「一度、闇営業を行ったキャバ嬢は噂が広まると他の店でも雇われることは難しい」とAさんはいう。突如、世間を騒がした今回の報道。カラテカのコンビでの活動はまだ未定だというが、今後の展開にも注目が集まりそうだ。＜取材・文/カワノアユミ＞
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』（イーストプレス）が発売中。X（旧Twitter）：＠ayumikawano