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オンラインサロンは新格差社会を象徴する闇…古谷経衡×吉川ばんび

―[新格差社会の闇]―
 一部の富める者だけが甘い汁にありつき、その他大勢が負け組と化す――。作家・橘玲氏が新刊「上級国民/下級国民」で描いた現実は、日常のあらゆる場面を侵食している。分断社会の闇は深く、底は絶望的に深い。それでも下級から這い上がる術は果たしてあるか? ネット保守から若者論まで幅白い言論活動を行う古谷経衡氏と、貧困家庭の出自を語りながら問題提起を行う吉川ばんび氏。両者が現代社会に抱く危機感と新格差社会の生存戦略を聞いた。
新格差社会の闇

※写真はイメージです

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古谷:海外に行くたびに日本がどんどん貧しくなっていることを実感します。経済成長が0.8%と停滞し、パイが縮小しているのに「土地持ち・株持ち・財閥系」が利益を独占し続ける社会構造は一向に変化しない。 吉川:そんな状況では格差が拡大するのは当然ですね。 古谷:これまでの日本では共産党と創価学会が貧困者の受け皿として機能してきた側面がありました。地方から出てきた貧困者もこうした団体に入ることで、人脈や相互扶助を受けることができたんです。でも、今やこれらの団体さえ世襲され、貴族化しています。もはや「無縁のもの」たちの行く場所が消滅してしまった。 吉川:行き場のない若年貧困層はインターネットに繋がりを求めてますよね。ただ、これはこれで問題があって……ネットワークビジネスやオンラインサロンにハマってしまう人が目立ちます。ここでも搾取が起きていませんか? 古谷:オンラインサロンは現代の格差社会を象徴する闇ですね。実態は「オンライン宗教」なのに「サロン」と名乗るのもタチが悪い。ハマった当事者も自分たちが上級入りしたと錯覚してしまうから。「大学よりサロンのほうがためになる」とか「起業しろ」「ブロガーになれ」とか扇動されて……あの月謝って、信者からのお布施みたいなものでしょ。

古谷経衡氏(左)、吉川ばんび氏

吉川:私は情報の格差が広がっていることも危惧しています。地上波のバラエティ番組は表現が煽り気味のものばかりだし、ニュースで目立つのは事故報道や日韓関係の話が多いじゃないですか。そして貧困家庭ほどそういった番組を受動的に見続ける傾向が強いんです。自分で考える力がどんどん削がれている気がします。 古谷:確かに上級国民になると地上波を見ずに、有料のCS放送を見てますもんね。 吉川:今も実家に帰ると、父親は朝からお酒を飲んでテレビを観て、スマホでゲームをしてまたテレビ観て……ってルーティンを延々と繰り返してるんです。その光景はホラーですらある。 古谷:高齢者がどんどん右傾化して、ヘイトを垂れ流すケースも多いですね。
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人生の難易度はその人の生育環境に左右される
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