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どの命を救うのか、決めるのは予算の都合だ。どこかで諦めねばらない/倉山満

GHQが行った農地改革

 ところが、憲法学の教科書には、例外中の例外が載っている。農地改革だ。ダグラス・マッカーサーらGHQが行った農地改革では、土地を奪われ、多くの地主が没落し、身売りや自殺が続発した。1億円の土地を500万円で買い叩かれれば、そうなるのが当然だろう。  しかも連中は補償をしなかった。これを最高裁の判例は「本当は補償が必要だがGHQのやったことなので仕方がない」と述べる。そして、憲法学は「ダグラス・マッカーサーは先例にしてはならない」とばかりに記す。  では、今次コロナ禍の補償は、ダグラス・マッカーサー以来の愚挙ではないのか。  日ごろ「戦争で殺されても憲法9条を守れ」と吠えている護憲派はどこに行ったのか。ならば「コロナとの戦争」でも同じことを言うべきだ。それが過激だと言うなら、せめて29条を守らせるよう、訴えてはどうか。

「コロナは危険だが補償金は出さない」は最悪の政策

 仮に新型コロナが日本経済を止めねばならないような危険な伝染病だとしたら、自粛する業者に固定費だけでも全額補償する程度の相当補償は不可欠だろう。  憲法は簡単に個人の財産を取り上げる、今回のような損害を与えるようなことを政府に認めないように作られているのだ。  現在の「コロナは危険だが補償金は出さない」は最悪の政策であり何の整合性も無い。だからこそ、基本に戻っては如何か。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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