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キャバ嬢たちの“キャバクラ離れ”が進行中。時短解除も「店に女の子がいない」

掛け持ちでフル回転するキャストと時短営業が明けても早く帰ってしまう客

 大阪の夜の店は深刻な人手不足に苦しんでいる。それは元々、働いていたキャストにも影響しているようだ。現在、3店のキャバクラやスナックを掛け持ちしている女性に話を聞いた。 「前は北新地のラウンジで働いていたのですが、コロナ禍でお客さんがほぼ来なくなってしまったんです。北新地は経費で飲みに来る人が9割だったのですが、コロナ禍で飲み会が自粛されて経費が落ちなくなったんです。  店が暇になったので、私も出勤制限をされてシフトは週3日から週1日に減らされました。収入が大幅に減って途方に暮れているときに、知り合いのスナックのママに声を掛けてもらいました。  そこのスナックで働かせてもらえることになったのですが、しばらくするとアルコールの提供ができなくなってスナックも休業になってしまったんです」  その後、女性は時短中でもアルコールを提供せず営業している別のスナックから声を掛けてもらい、どうにか生活はできたという。そして全面解除された25日、元々働いていた北新地の店に出勤できることになったのだが……。
梅田

通常営業に戻ったものの、時短営業に慣れてしまい21時過ぎに帰ってしまう客も多いのだとか。写真は23時過ぎの大阪梅田。人通りは少ない

「スナックのほうのキャストが、出社や通学を理由に出勤しなくなってしまったんです。そこで、私に出勤してほしいと頼まれたのですが、2店とも困ったときに助けてもらったので断るわけにも行かず……。今は3つの店をローテーションで出勤しています。  でも、どこも女の子がいないのでお客さんが全然来ないんですよ。それに、お客さんも20時には帰る生活に慣れてしまったようで遅くまで飲まないんですよね。出勤して最初の1、2時間はお客さんが入っても22時前には『もう、眠いから帰るね』と言われます。  長かった時短営業はお客さんの生活リズムを変えてしまったようですね……」

休業中に“転職”したキャストたち

 だが、店を開けられるだけまだマシなのかもしれない。筆者の知っているスナックでは長い間、休業を続けていたのでキャストが他のアルバイトを始めたという。そのため、営業が再開されてもキャストがほとんど出勤ができず時短解除された今でも週に3回ほどしか店を開けられないとママは嘆く。  時短営業は全面解除されたものの、夜の店が元に戻るのにはしばらく時間がかかるのかもしれない。水商売は特に人員の確保が難しい。もっとも客が入る年末になる頃には、どうなっているのだろうか。 写真・文/カワノアユミ
東京都出身。20代を歌舞伎町で過ごす、元キャバ嬢ライター。現在はタイと日本を往復し、夜の街やタイに住む人を取材する海外短期滞在ライターとしても活動中。アジアの日本人キャバクラに潜入就職した著書『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)が発売中。X(旧Twitter):@ayumikawano
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