更新日:2022年02月21日 16:22
スポーツ

2022年プロ野球「延長戦に弱すぎる巨人」は延長戦復活でどうなる? データを検証する

一番気になる延長戦勝率は明暗がくっきり

 そして、一番大事な延長戦の勝率を見てみると、かなり極端な結果となった。 <延長戦勝率> ソフトバンク63.6% 広島    62.9% ヤクルト  59.4% 西武    59.3% DeNA  54.5% 日本ハム  52.6% 楽天    51.6% 阪神    50.0% ロッテ   47.1% 中日    33.3% オリックス 28.6% 巨人    25.0%  トップはソフトバンク。4位に沈んだ昨年が延長戦なしで入っていないので、ほぼ2018年から2020年までのチームの強さと変わらぬ勝率である。延長であろうが変わらない安定感は層が厚かったソフトバンクの象徴的数字といえよう。問題は昨年4位に沈んだことでこの強さが取り戻せるかどうかだ。  60%超えには広島も入った。リーグ3連覇した3年目の2018年が含まれており、強かったころの影響が数字に残ったものだ。2018年は延長戦で9勝4敗2分、2019年は11勝7敗3分だった。ただ、2020年は2勝2敗12分と引き分けが増えたのは延長10回制の影響か、それともチームが変わったのか。

延長戦に弱い巨人

 そして気になるワーストは巨人の25.0%とかなり厳しい数字が出てきた。原因は2018年と2020年の2年で延長戦なんと0勝(2年で5敗)。2019年も4勝7敗2分と負け越していたためだ。  延長に弱い巨人と呼ばれてしまっても仕方ない数字だが、今年この通りになるのかは怪しい。昨年から桑田コーチの方針で中5日ローテを目指している巨人は2020年までの試合運びとは大きく変わっている部分があるからだ。果たしてどんな結果になるのか。  30%を切ったのはオリックスもだ。3年間連続で延長戦負け越した影響で数字が下がってしまっている。しかし、ご存知のとおり昨年はリーグ優勝。チームの流れは大きく変わっている。延長戦ありのシーズンでも昨年の強さが発揮できるかどうか、オリックス連覇のカギは延長戦の克服にかかっているのかもしれない。 文/佐藤永記
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
Twitter:@signalright
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