市販の頭痛薬や鼻炎薬の使用で「突然死」する危険性
医者に殺されない47の心得』など多数。近著は、『クスリに殺されない47の心得 カラダの力がよみがえる近藤流「断薬」のススメ』(アスコム)
取材・文/藤村はるな 撮影/森モーリー鷹博
インフルエンザや花粉症、風邪などで、体が辛い。そんな時、誰しも症状を和らげるべく、「薬」に頼るのが当たり前になっている昨今。だが、こうした風潮に警鐘を鳴らすのが、がん研究で有名な医師・近藤誠氏。
「昨今はなにかと薬に頼る風潮がありますが、実はどんな症状も、基本は薬に頼らず、自然治癒力で治すことが望ましいんです。そもそも発熱や咳などの兆候は、体がウイルスを排除すべく戦っているサイン。それを無理に薬で抑えてしまうと、治癒力は下がるし、悪いものが体に留まったままになる。だから、安易な薬の服用は控えたほうがいいんです」
40代ともなれば、体調が悪化しても簡単に医師などに行けないケースも多い。そこで、ついつい頭痛薬や鼻炎薬など、市販薬に頼ってしまいがちなところだが?
「たとえば、市販の頭痛薬や解熱剤にはアスピリンなどが入っているケースが多いのですが、これらを服用すると、アナフィラキシーショックを起こして突然死する可能性だってあります。また、花粉症シーズンなどに利用しがちな鼻炎薬などの過剰服用も危険です。『スティーブン・ジョンソン症候群』と呼ばれる高熱や眼、唇、喉などを悪化させる病気や、アナフィラキシーショックを起こすケースも。鼻炎薬による死亡例も確認されています」
とはいえ、医師で処方してもらう薬ならば、必ずしも安心というわけではないと近藤氏は語る。
「たとえば、現在流行中のインフルエンザ。昨今、インフルエンザの治療には、解熱剤を使うことが多いのですが、実はこの解毒剤が体には非常に有害なんです。実際、解熱剤を使ったせいで子どもたちが急性脳症で死んだという事例も数多く報告されています。そもそも高い発熱は白血球が体内のウイルスを駆逐するために出るもの。それを人為的に熱を下げることで、白血球の働きが弱まってしまい、なかなか治らないんですね。だから成人でも、なるべく利用しないほうがいいんです」
とはいえ、体調が悪ければ症状を和らげるべく薬を飲みたくなるところ。ならば、薬の服用時、どんなことを心がけたらよいのだろうか。
「『薬は体にいい』と思ってしまいがちですが、薬には必ず副作用があるものです。大半の人には副作用が起こらずとも、一定の確率で深刻な被害を引き起こす可能性も。どんな薬も絶対に安心ではないので、自分で調べられる範囲で知識を身に付けて判断してほしいですね」
個人差はあれど、人によっては薬が害を及ぼすケースもある。体調が悪ければ安易に薬を飲む、という悪しき習慣は改めたいところだ。
【近藤 誠氏】
近藤誠がん研究所所長。慶應義塾大学医学部にて講師として勤務。現在はがんのセカンドオピニオン外来を主宰。著書に『
『クスリに殺されない47の心得』 体のチカラがよみがえる近藤流「断薬」のススメ |
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