タイで増える40代日本特撮オタク。仮面ライダーにハマった警察少佐を直撃
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仮面ライダーを中心にしたグッズは大半がタイ国内のショップで購入したものだ。
「10歳のころから少しずつ仮面ライダーグッズを集めています」
UFOキャッチャーのおもちゃもしっかりコンプリートされているが、これらもタイで手に入るのか。
「中には日本のヤフー・オークションで落札したものもあります」
タイ在住の日本人の友人に頼み落札してもらい、それをその友人の実家に送る。そして、友人の両親が訪タイする際に運んでもらうという、独自のルートを築き上げている。
少佐は日本のヒーロー物が好きだった延長で日本好きになり、日本の歌手は特に渥美二郎が大好きだという。また、Jリーグにも詳しい。
「タイは欧州リーグが人気で、Jリーグの知名度はまだまだ低いですね。その分、ユニフォームが安く手に入ります」
インヨン少佐は観光客にもよく知られたウィークエンドマーケットでユニフォームを手に入れる。これらはカンボジアへの救援物資の横流しだ。救援が不要になった今でもカンボジアには大量の中古シャツが寄贈され、それらはタイ国境でタイ業者に二束三文で売られ、バンコクで場合によっては高値で販売される。Jリーグシャツはメイド・イン・ジャパンでありながら人気がなく安いのである。
これまでにコレクションに遣ったのは10万バーツをくだらない。タイ警察は給与が安いので、ここまで趣味につぎ込めたのは周囲の理解があってこそだろう。たまたま居合わせた中学生の娘に父の趣味とその総額がどれほどかかったかについて聞いてみると、ただただ苦笑いをするだけだった。
<取材・文・撮影/高田胤臣>
日本好きのタイ人はとても多い。最近ではコスプレなどのオタク文化が若い世代に広がり、バンコクの商業施設などには日本のマンガショップやフィギュアショップが当たり前に並ぶようになっている。
そんな店の客は10代もしくは20代前半くらいが中心だが、実は40代も多い。というのも、この世代が子どもの頃に遊んでいたおもちゃは日本製が多かったからだ。もちろん当時のタイでは日本製のものは高嶺の花で富裕層の子どもしか手にできなかった。そんな憧れのおもちゃを余裕ができた今になって手にしたいと考える40代が日本のオタク文化に熱を上げているようだ。
日本では警視正にあたる地位にいる、タイ国家警察インヨン少佐(44)もオタクと言えるほど日本のヒーロー物に入れあげているひとりだ。
「私が3~4歳のころに仮面ライダーがタイ語吹き替えで放送され、夢中になって観ていました」
タイでは仮面ライダーはアイ・モッデーンという。モッデーンとは赤アリのことだ。ネーミングが直接的すぎてがっくりくるが、さすがにマニアの少佐は「カメンライダー」と呼ぶ。
少佐が仮面ライダーに夢中になっていた同時期にはウルトラマンも放送され、少年時代は日本の特撮ヒーロー物にどっぷりと浸かった毎日だったそうだ。
現在、少佐はバンコクにある警察博物館の副館長を務めている。博物館の新館にあるプレスルームに自慢のコレクションの一部を持ってきてもらった。やはり一番大好きなのが仮面ライダーで、ウルトラマンが少々。
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