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PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

50代で一番ショックだったある出来事

50歳を越えて、
もっとも衝撃な事件に
先日、遭遇した。

山手線で21時ごろ、
つり革につかまりながら
立っていると、
前に座っていた20代の女子から
なんと!

「どうぞ」と
席を譲られてしまった

のである。

最初、その女子が
誰に対して声を掛けているのか
わからなかった。

わからなかったから
キョロキョロ
あたりを見渡した。

けれど、車内は
さほど混んでもおらず、
彼女の前には
私しか立っていない…。

たしかに、
この日の私は
けっこう仕事が忙しい最中で
洋服もよれよれで
おまけにお酒も入っていて
外見からしてくたびれていた。

髭も伸ばしたまんまだったから、
さぞかし髭に混じった
もはや80%以上を占める白い毛
目立ったことだろう。

しかし、
そんな私を

「ホームレスみたい」

とからかう友人はいても、

「老人だ」

と断定する人は
これまで誰もいなかった。

ショックである。

昔、
若者から席を譲られ、

「ワシはまだ若いんじゃ!」

と激高する老人を見るたび、
そこまで怒らなくても…
と、内心訝しがっていた私であるが、
そういう老人の気持ちを
はじめてすんなり
受け入れることができた。

さて、話を戻そう。
結局、
この日の私は
あまりに疲れていたので、

「ありがとうございます」

と素直に20代女子の好意に甘え、
悲しいかな

席を譲っていただいた

のであった。