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PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

鳥谷の名言

7月に入って
24打席ヒットなし
という大不振におちいった
阪神タイガースの
新井(良)選手が
広島遠征中、
先輩の鳥谷選手を
強引に宿舎の自室に
連れ込み、
アドバイスを請うた

という話が
デイリースポーツに
書かれていた。

そのとき鳥谷選手は
こう答えたという。

「試合に出る怖さを
知ってはじめて、
プロ野球選手だと思う。
毎日試合が楽しくて、
勢いだけで出ているうちは、
プロ野球選手じゃない。
良太は、
これからが勝負だよ」

なんて

素晴らしい
アドバイス

なんだろう。

たしか、
松尾スズキ氏も

「楽しく
なくなってからが
本当の仕事」

みたいなことを
言っていた。

「文章を書くのが好きだから」

という動機だけで

「ゴメスさんの元で
働かせてください!」

と無鉄砲に
家まで
押しかけてくるような
輩にとっては
耳の痛い
珠玉の名言ではなかろうか。

エレガントな下ネタ

Facebookを縁として
ネット上で再会できた、
とある昔の女友だちに

「ゴメスさんのブログ
たまーに読んでますけど、
下ネタが多くて
私にはちょっと
刺激が強すぎるかな?」

と言われ、
少なからずの
ショックを受けた。

よくよく読み返してみると、
たしかに下ネタ率は
大ざっぱで8割以上
といったところだろうか?

私の書くものに
下ネタが多いのは
否定しない。
テーマが政治やビューティとかでも
無理矢理下ネタを絡めたり
たまにする。

だが、私が
目指しているのは
あくまで

エレガントな下ネタ

だ。

たとえ

「まんこ」

と書いても

「ま」「ん」「こ」という

一文字一文字がたまたま
くっついちゃってました……

くらいにしか頭に残らない

そういう

普通のOLさんにも
さらりと
読み流せる
下ネタ

を真剣に
目標としているのである。

「私にはちょっと
刺激が強すぎるかな?」

それはそれで
言葉責めっぽくて
萌えたりもするのだが、
まだまだ私も
修行が足りない
ということだ。

最強の美男子

いつものように
喫茶室ルノアール
原稿を書いていると、
20代前半くらいの男
となりの席についた。

ちらりと見てみると、
身長は180㎝をゆうに超え、
とても端正な顔立ちをした
非の打ち所のない美男子だった。

そして、10分ほどが経過して
「ごめ〜ん、道に迷っちゃった!」
と、彼と同じ年くらいの
女がやってきた。

二人の会話は
たわいもないもので、
最初は私も
さして気にも留めず
原稿に集中していたのだが、
どうも男のほうの
しゃべり口調に
ちょっとした
違和感を感じる。

とくにサ行
口に出すとき
すーっと
息の抜けたような
ニュアンスに
なるのだ。

そして、集中力が
そっちに取られ始めたころ、
おもむろに女のほうが

「で、アンタ、
いつになったら
歯、入れんのよ〜?」

と、彼に向かって
笑いながら問いかける。

驚いた私が
急いで男のほうを
見てみたら……、

なんと!

上側の前歯が
キレイに2本
抜けている

のである。

その凄まじい
ギャップに戸惑う私に、
その彼はさらなる
追い打ちをかける。

抜けた歯の部分を
隠そうともせず
自信たっぷりの
満面の笑みで
こう言い放ったのだ。

「だって、
抜けてるほうが
おもしろいじゃん!」

この男だけには
一生勝てない……。

完膚無きまでの敗北感を胸に
ルノアールをあとにした
私であった。