山田ゴメスの俺の恋を笑うな
伊良部さんと小松さん
原稿の〆切りが落ち着いて、久しぶりに下界(近所のドトール)におりてみると、
いろんな方々がお亡くなりになっていた。
まず一人は、つい最近このブログでも取り上げた
(https://nikkan-spa.jp/magazine/26351)、
(https://nikkan-spa.jp/gomesu/29732)
我が阪神タイガースのリーグ優勝にも大きく貢献した
元メジャーリーガー・伊良部秀輝氏である。
今から思えば、ではあるが、
あの週刊SPA!本誌に掲載されていた唐突なタイミングでのインタビューも、
どこか人生に対する執着のようなものが抜けきった、
つるっとした印象の、不思議な読後感が
妙に頭の片隅に引っかかっていたのだが、
こんな結末を、こんなに早く迎えてしまうとは……
残念でならない。
トラブルメーカーのデブいピッチャー(引退後さえも)
が、私は大好きなのだが、
そういう意味で、江夏豊以来の逸材であった
伊良部を失ってしまったという現実を、
我々野球ファンは、もっと重要に受け止めるべきなのではないか。
佐々木主浩では、全然役不足なんですよ。
そしてもう一人は大阪府の箕面市在住のSF作家・小松左京氏である。
なにを隠そう(隠す必要もないのだが)私は、
自分のフェイスブックで「好きな映画」に
「日本沈没」を挙げるくらいの小松イストだ。
どれくらい好きかと言えば、
「日本沈没」のリメイク版で、原作と比べての
あまりの結末の改ざんぶりに腹を立てて、
思わず
主人公の草薙剛を逆恨みして嫌いになってしまった
くらい好きなのだ。
未曾有の大災害を前に、
絶望しながらも淡々とやれること(=海外への非難)だけを
こなしていく日本人の切ない強さが心を打つのに、
沈まないんですよ、助かっちゃうんですよ、リメイク版だと日本が!
なんというアメリカ的短絡思考の安易な結末!!
許せません!
氏は亡くなる直前、東日本大震災について
この危機は乗り越えられる。
日本は必ずユートピアを実現できる。
日本と日本人を信じている。
とのコメントを残したという。
「日本沈没」という作品を通じて、
日本人とは?
を、40年以上も前から我々に問い続けてきた
小松左京氏の言葉だからこそ説得力を帯びる、
素晴らしい遺言ではないか。
追悼の意というのもおこがましいが、
私の日本沈没マニアぶりの一端を証明する、
過去5年ほど前に書いた映画コラムをここに転載し、
今日という日を黙祷に捧げたいと思う。
【雑誌『ギャグバンク』より転載】
草薙クンはカンベンだ!
けっこう邦画を観るほうだ。僕らみたいな職業に就く人間は、いっぱい映画を観て、それもマニアック気味な洋画をも暇さえあれば単館上映で貪り漁る的なイメージを半ば義務といわんばかりに背負わされがちである。でも僕は邦画が好きなんです。理由は「日本語だから疲れない」、それに尽きる。それ以外さしたるカッコつけた“言い訳”は思いつかない。
で、何が「草薙クンはカンベン」なのかと言えば、来年夏公開予定のリメイク版「日本沈没」の主人公があの草薙剛であるらしいのだ。たしかにこのヒトの演技力というのは玄人筋にも評価が高かったりする。その点に僕も異存はない。いい役者だと思う。でも73年版はあの藤岡弘がやってた役でっせ(深海潜水艇操縦士を好演)! 草薙クンじゃちょっとねえ……などと40過ぎてマジのインネンつけてしまうくらいこの映画のインパクトは強かった。とにかく怖かった。もし本当に日本が沈没しちゃってパパ、ママと離ればなれになったりしたらどうしよう……そんな不安に駆られながら映画を観てから約3ヶ月くらいはずっと寝室の電気をつけっぱなしにしたまま不眠の夜を過ごしたものである。
なんでこの作品が当時のいたいけな山田少年のマインドを掻き乱したのか。当時では最新の特撮技術を駆使した臨場感、藤岡弘やいしだあゆみ、そして小林桂樹の鬼気迫る存在感……様々な要因が考えられる。だが、もっとも忘れてはならないのが総理大臣を演じた丹波哲郎であるのは衆目の一致するところであろう。日本政界の黒幕である渡老人の前で、「1万人がダメなら千人でも……いや、10人がダメなら一人でも……」と、諸外国に自ら助けを求めに行く決心を熱弁する丹波首相(役名は「山本」)の力みまくった涙目は、涙なしでは観られない。多分これ以来だろう。僕は「国、もしくは世界が天変地異や宇宙人の襲来で壊滅的な危機に陥ったときにする国家のトップの演説」に目がない男になってしまった。いわゆる「元首演説フェチ」ってヤツである。邦画だと「復活の日」、洋画だと「インディペンデンスデイ」から「アルマゲドン」……いずれも「日本沈没」に次ぐ名演説の宝庫であり、同時にいずれもライターとして「好きな映画」に挙げるのは思わずためらってしまうモノばかりと言える。(※結果、リメイク版の「日本沈没」でも、それらしきシーンはあったのだが、あまりにチンケで取るに足らないものだった)そういう意味ではスピルバーグの「宇宙戦争」、僕としてはおおいに不満がある。だって大統領がちっとも演説してくれない。「日本」が「宇宙」に勝利した。
最凶淋病!
日本で抗生物質の効かない新種の淋病が見つかったらしい。
無茶苦茶おっかなくないか?
浮気してうつされて
……彼女や嫁に内緒で治療ってのができなくなるんですよ!
風俗店とか、マジ大変だ。
これをきっかけとして
性病は気合いで治す!
みたいな輩が逆に増えたりしないか
心配だ。
ギャルで勃たない!
このごろ、
ギャルのセクシーに今イチ欲情できなくなっている。
そこをアンチエイジング的な
一種の踏み絵として基準立てていた自分としては、
ゆゆしき問題だと思っている。
ほんの一昔前だと、渋谷を歩いているだけで、
通りすがるギャル・ギャル・ギャルを
まるで制御の利かなくなった灯台のように
ぐるんぐるん首回転させながら光線でも放ちかねない目で
追いまくっていたものだが、
いったいどういう心境の変化なのか、最近はさっぱりだ。
ギャルのファッショントレンドが甘め主流になってきたからか?
などと考えてもみたが、
露出度の高さは相変わらずだしメイクも派手だし、決定的な要因だとは思えない。
容姿レベルの高いAV女優を、ギャル風ファッションでかためてハメる
『プレステージ』というアダルトビデオレーベルに凝った時期もあったが、
やはり最近は観る気になれない。
一見、カラみは華やかであるけど、
どこか淡泊ですぐ飽きてしまうのだ。
まったくもっての主観だと聞き流してもらってかまわないが、
ギャルは意外と変態が少ない
という印象がある。
ギャル特有のコミュニケーション能力の高さを支える
優れた反射神経や生き様の器用さ、そして根底にある保守性が、
彼女たちの変態性を育てる妨げになっている(もちろん例外もいるだろうが)
と私は推測するが、
いずれにせよ、そんな健全さゆえか露出された肌がもはや衣装化してしまい、
シズル感、リアリティを欠いているのである。
数年前の紅白で物議を醸した
氣志團だかDJ.OZUMAだかの女性バックダンサーがまとっていた
全裸着ぐるみみたいなもの、と考えていただけたら、わかりやすい。
そりゃ飽きるわな……。
今の私は、わずかにギャルテイストを残す30代の女性を目にすると、
激しく欲情する。
もしかすると、じつは私が好きなのは、正確に表現すれば
ギャルではなく、あくまでコギャル
であって、
だとすれば、ただその幻影をギャルに求めていただけなのかもしれない。
たしかにあの頃のコギャルは、ひとり一人が当時の我々の想像を、はるかに超えていた。
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