今どきのおねえちゃん業界事情

 昔、仕事でお世話になった、あるショーパブのスタッフから、久々に電話が入った。

 景気はどうですか、と聞いてみたら、やはり震災以降は苦戦気味であるそうだ。

 都内の夜の街に詳しい事情通連中の、いろんな情報を総じると、

キャバクラや風俗は相当客足が遠のいているようで、そのぶんが安価を唱うガールズバーなどに少なからず流れているらしい。

遊びたいけど遊びきれない……

おおかたが、そんな心情なのではないか。

 ある知人の風俗記者が言っていた。

渋谷のデリヘルに潜入かけたんだけどさぁ、来た子が「(震災後は)お茶っぴき(=一人も客がつかないこと。店との契約にもよるが、風俗だと基本的にその日の収入はゼロ)ばっかでヤバイ……」って嘆いてたよ。とにかく女の子があまりまくってるみたい。潰れた店を吸収して、そこで働いていた子がわさっと入店したり。あと、被災地で働いてた子を引き取ったりもしてさ……。だから、女の子のレベルもサービスも今は高いんだよ。「せっかくついてくれたお客さんは絶対大事にするから!」みたいなこと言ってたし。ある意味、狙い目な時期なのかもしれないね」

 そういえば最近、私の携帯電話にも、

久しぶり〜! ○○子ですけど、おぼえてますか?

といった内容のメールがよく届く。

 アドレス登録されていないものも多いので、誰が誰だかさっぱりわからない

 数年前に一度、ケータイを水没させて、すべてのデータを飛ばしてしまったことがあるので、おそらくそれ以前のかなり昔に、キャバクラだかどこかで知り合って、アドレス交換だけで終わったような関係の子たちなんだろう。

 切実感が溢れている。

 被災していない者が身銭を切って遊ぶことが経済の活性化につながる、とはよく言われるが、申し訳ないけど、そういうところで豪遊する気には、まだなれないのだ。

 二人っきりで飲みにでも行ってくれて飲食業界を活性化するなら、また話は変わってくるのだが

……って虫が良すぎ?

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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