公開!幻のボツ原稿

私が毎日コラムを書いている

news dig

というニュースサイトで、

「内容がアヴァンギャルドすぎる」

との理由で
初めてボツを喰らった
原稿が一つある。

わりと自分の中では
傑作だったので
ここで掲載させていただく。

ちなみにテーマは、

「LINEの未読化機能
に(対する)賛否両論」

で、まず自分の考える立場が
「A. 便利な機能」「B. 余計な機能」
のどちらであるかを選択し、
そこから持論を
展開していく構成である。

【タイトル】
ガラケーユーザーの、
ある日のさびしんぼう日記

【本文】
まことにもって申し訳ない。いまだに私はバッテリーカバーのひび割れをセロテープで貼り付けたガラケーを使っているので、書かれてある内容が1ミリもわかりません。だからこうしよう。

私は今、駅から降りて小走りで自宅に向かっている。ごく数分前から猛烈にうんこがしたくなったからだ。駅構内の公衆トイレですりゃよかったものの、唯一空いていた個室の大便器がはみ出し糞だらけで、汚くてできなかったのである。相当やばい状況だ。便意を紛らわすため、何か他のことを考えようとしたら、ふとこの原稿のことが頭に浮かんだ。

よしっ! 決めた。もし間に合ったら「A. 便利な機能」、間に合わなかったら「B. 余計な機能」だ。

明暗をわける関門は二つある。まず一つめの関門である交差点は、信号の緑がチカチカして(私は信号の青がどうしても緑にしか見えないのだ)赤に変わると同時に横断歩道を強引に駆け抜けることでクリアした。しかし、これによる激しい振動で腸に詰まった便が肛門直前まで押し下され、より激しい便意に襲われる。明らかに夏の暑さが原因ではない種類の汗が額をつたい、鳥肌が立つ。

どうにかして自宅のあるマンションにたどり着く。ここで二つめの、最大の難関が待っている。エレベーターだ。私の自宅は10階。エレベーターは6階に止まっている。ラッキーなのかアンラッキーなのか、微妙な階数だが、万一間に合わなかった場合のことを考えると他にエレベーター待ちの住人がいないのはラッキーだ。

10のボタンを押すと、5・4・3……とエレベーターがゆっくり降りてくる。中国の広場あたりで見かける太極拳の演武よりスローモーに感じる。

やっと着いたエレベーターに飛び乗る。2・3……とゆっくり上がっていく。アニメの大リーグボール3号より遅く感じる。臀部を引き締め、括約筋を閉じてはまた開いて閉じてはまた開いての反復運動を繰り返す私は、まるで交尾の相手を欲している家畜のようだ。

……7・8・9階あたりから無意識に私は内股になって小刻みに足を踏み鳴らし、パタパタと慌ただしいタップのリズムを刻んでいる。

10階到着! 急いで自宅の鍵を開けようとするが、ズボンのポケットの中でキーケースが引っ掛かって、なかなか出てこない。

プヒ!

やってしまいました……。パンツはアウト。だったが、辛うじてズボンまで被害は及ばず、のギリギリセーフ?

さて、これはどう判定すればよいものか? 「どちらでもない」? それとも大惨事にまでは到らなかったので「間に合った=A. 便利な機能だ」でOK? いや、やはりお漏らししたという事実は事実なのだから、ここは厳しく己を律したい。したがって「LINEやFacebookなどSNSの既読機能」は「間に合わなかった=B. 余計な機能だ」ってことで、夜露死苦おねがいしやす!

ところで最近、私のまわりでもラインでつながるミニコミュニティーがあちこちで立ち上げられており、その都度軽い仲間外れ的な扱いを受ける私としては、ちょっぴり淋しいところである。

……相変わらずの
どこでもうんこネタ
であった。

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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