のん「当たり前に日常を送ることで戦っていた」――能年玲奈から改名した彼女が、待望の復帰作を語る

 朝ドラ『あまちゃん』の主演女優として日本中を虜にした能年玲奈が、この夏“のん”に改名し、再出発を遂げた。復帰作として選んだのは、第二次世界大戦中の広島、呉を舞台にした、こうの史代原作のアニメ映画『この世界の片隅に』だ。映画にかける思いと、『あまちゃん』から3年を経て、23歳の大人の女性に成長した彼女が見据える今後について聞いた。

のん――復帰作『この世界の片隅に』は声優初主演となったわけですが、アニメ作品の声優をやることの不安はありましたか?

のん:不安を感じる前に、絶対やりたい!という感じでした。原作を読んで本当に素晴らしいと感動すると同時に、そういう作品に出合えることは貴重だなと思ったので。映像を拝見したときに冒頭の子供時代の声もやるのは、大丈夫かなと一気に心配になりました。

――俳優と声優だと、やはり求められることが違いますよね。

のん:体や表情を使えると、自分の皮膚感覚で直接的に演技できるんですけど、声だけとなると、感覚を全部声に乗せて表現しなくてはいけなかったので、難しかったですね。

――こうの史代さんの原作を最初に読んだときはどう思われました?

のん:私、今まで「戦争」というものをすごく避けてきたというか、怖くて見ないようにしてたんです。でも、こうの史代さんは戦争中の日々の暮らしに焦点を当てて大切に描かれていたので、それが衝撃的でした。戦争って別次元というか、とにかく非日常の怖いもの、みたいに思っていたけれど、もっと日常と隣り合わせのなかで降って湧いてくるようなものだったのかもと想像させてくれた。非日常と考えてしまうと得体が知れなくて「知りたくない」と思っちゃうんですけど、当時の人たちは、当たり前に日常を送ることで戦っていたんだということが伝わってきて、自分が毛嫌いしていた戦争のイメージとは違うなと思いました。

次ページ自分のことを「ぼーっとしてる」と言いながらも…

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