「冬のボーナスが増加」なんてニュースと無縁な人々の叫び
今年も冬のボーナスの季節が到来。経団連が発表した「2015年年末賞与・一時金 大手企業業種別妥結状況(加重平均)」によれば、セメント、機械金属の2業種以外の業種は増加する見込みだという。総平均も3.13%増の91万円と3年連続で増加。とはいえ、大手に限らない民間企業全体で見れば減少するという報道もある。「ボーナスどころじゃねぇよ!」という人々の声を拾った。
あまりに少人数の零細企業のために、特別に名を秘すが、中小企業のボーナス額は氷点下の極寒だ。
零細建設会社の「D」は昨冬から10万円→7万円→5万円と減額。「今回が最後のボーナスかも」と語るのは、同社主任の田廣亮さん(仮名・35歳)だ。
「年始の段階では社員8人だったが不渡りの噂が絶えず、2人が見切りをつけて辞めちまった。まあ、こんなクソみてぇな会社に残っていても明るい未来なんてねぇし、来年の年明け早々倒産したとしてもまったく不思議じゃない(苦笑)」
ただし、少額でも支給されるだけまだマシだ。従業員15人の自動車加工会社「G」で主任を務める安藤尚人さん(仮名・40歳)は、「5年連続でボーナス0円。自動車業界は好況で大手はボーナスも多いみたいだが、孫請けのさらに下のウチみたいな会社には関係ねーよ」とボヤく。
話によると、今年は5万円程度だがボーナスを支給するとの噂が流れていたそうで、結果0円と聞いた社員は落胆。「血の気の多い若い連中は、『社長をシメる!』って言い出す奴もいて、なだめるのが大変」と漏らす。
「ただ、社長は社長で『ヤミ金に借りて給料を払っている』との噂もある。部長が尋ねたら『銀行系のカードローン』と言っていたらしいけど、俺ら社員にしてみたらどっちもヤバいのは同じ」
中小企業にとっては、たとえ少額でもボーナスが支払われているだけマシなのかもしれない。
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<取材・文/週刊SPA!編集部>
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