建設中の「東京外環道」は本当に必要なのか? 地下水脈に悪影響、大気汚染が1か所に集中する可能性も
同会の田代雄倬氏は次のように指摘する。
「行政は国内で初めてパブリック・インボルブメント(PI=住民参加)方式も導入しました。しかし結局、計画の見直しや建設にともなう環境影響などを指摘する住民の意見は反映されていません。海外でのPIは住民にも権限を持たせますが、日本では何の権限もない。形だけは住民の意見を聞くものの、実際には『建設ありき』で進んでいるのです」
国や事業者は外環道の必要性として「渋滞解消」「CO2の排出削減」「災害時の迂回道路の確保」などを挙げている。田代氏と小笠原氏は「時間がたつにつれて、説明がコロコロと変わった。とにかく造るとの結論があって、後から理由をつけ足しているのでは」と冷ややかだ。
大塚氏は交通量データをもとに、「外環道は不要」と訴えている。
「外環道と並行する環状八号線の交通量は’99~’10年の間で確実に減っています。また関東地方、および全国の交通量も’00年前後を境に減少基調にあります。ところがGDP(国内総生産)は伸び続けている。交通量と経済成長はイコールではありません。自動車に過剰に依存しなくても、経済を回していくことは十分に可能です」
取材・文・撮影/まさのあつこ 横田 一 斉藤円華
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