スマホ依存症でうつ病、人格障害になる人が増加
いまや我々の日常生活に浸透しきっているスマートフォン。気がつけばスマホに手を伸ばしてしまっている状態は、もはや「スマホ中毒」と言っていい。そんな生活は、人々にどんな影響をもたらすのだろうか?
スマホによる影響は人体に限らない。「精神的ダメージを受ける人が増えつつある」と話すのは、臨床心理士の杉山崇氏。
「LINEの既読スルー、未読スルーという言葉がありますが、他者からのメッセージが来ているか、読まれているかというのが気になって、仕事が手につかないという相談は非常に多いです。日夜スマホが手放せないという人は、依存症の可能性が高いですね」
もともと、日本人は心配性が多いといわれる民族。スマホで他者と繋がっているという感覚が、精神安定剤になっているケースも多々ある。その結果、スマホが手放せない依存症になるというのだ。
「SNSなどのコメントで嫌なことを言われたなど、人間関係のトラブルも頻発。それがきっかけになって、うつ病に陥る人もいます」
検索機能を使って知りたい情報を即座に調べられるようになったことで、“自分は賢い”と錯覚する人も登場。周囲にウザがられるだけならまだしも、さらに深刻な事態を招きかねないという。
「男性によく見られます。『俺は何でも知っているからエラい』という勘違いですね。悪化すると自己愛性人格障害になる人も」 自己愛性人格障害とは、自分は特別で偉大な存在でなければならないと思い込む人格障害の一種。
一方、女性の場合は、SNSに投稿した記事の反響が大きかったことが快感となり、嘘の投稿をするようになったりする演技性人格障害になってしまう人が目立つとか。スマホとの付き合いにも適度な距離感は不可欠なのだ。
【杉山 崇氏】
心理学研究者、臨床心理士。神奈川大学人間科学部・大学院人間科学研究科教授。心理相談センター所長。著書に『ウルトラ不倫学』(主婦の友社)などがある
― みんなバカになる![スマホ中毒]の悲劇 ―
「他者と繋がっている」感覚に依存してしまう
『ウルトラ不倫学』 不倫をしている人にもしていない人にも、不倫を超えて役立つオモシロ心理学本! |
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