更新日:2022年08月25日 09:53
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インド人は全員悪人!? 旅人の定説を検証してみた

第3話、勇者ヨシヒコは正義なの? 悪なの?

 オールドデリーに到着してわずか3時間足らずで、私は誰も信じられなくなっていた。こんなにも短期間で人はヒトを憎み信じられなくなるものなのか。もうコレ以上の被害に遭わないように用心しなければと、野良犬のような目で街の散策を再開してみたが……。  後ろから誰かが俺に話しかけてくる。「完全無視だ!」と決め込むが、私の疲弊しきった心にドラクエの“天使の泉”のような声が聞こえてきた。 「カバンのチャックが開いているぞ。それと、前に抱えるようにして歩かないと盗まれるからダメだぞぉ」  なんて優しい男なんだ、いったい誰なんだ!と振り返ると、ターバンを巻いた勇者ヨシヒコの20年後みたいな男性(以下、ヨシヒコ)がキラキラと輝く笑顔で語りかけていたのだ。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1316073
ヨシヒコ

勇者ヨシヒコのコスプレをした男性

 その笑みを見た瞬間に、ほんの一部のインド人に騙されただけで、心を閉じようとしていた自分を恥じた……思いっきり恥じたのだ。そして、ヨシヒコがこう続ける。 「君は日本人か、そんな綺麗な格好をしているから詐欺に遭うんだよ。ウチの店で民族衣装のクルタを売ってるからそれに着替えなさい」  なんてこった。そんな初歩的なミスを犯していたとは。「郷に入っては郷に従え」。心が荒みかけていたが、この素敵なファーザーと出会い、心が浄化されていくようだった。そして私は、彼の店へ行き、クルタを試着する。着替えた私を見て、ヨシヒコが満面の笑みを浮かべながらこう言い放った。 「コレで君は大丈夫……それじゃ、3000ルピー支払ってね」  もうやめてくれぇぇ、インド人(笑)。傷口に塩をぬるようなボッタクリの連続。ヨシヒコのことを本当に良いヤツだと思っていたのに……そして、帰り際にトドメのひと言。 「カバンの中にボールペンが入ってるだろ? それをくれよ」  こうして私は、インド人と仲良くなるどころか、わずか数時間オールドデリーを歩いただけで4000ルピー(約6800円)を失ったのだった。 【勝手にインド危険情報】 日本人を見るなり「金が歩いてる」ぐらいにしか思ってないようです。たとえ、女性や子ども、マイメン、ターバンを巻いた勇者っぽい人々にも十分に注意してください。
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崇高なる高僧までも詐欺師…!?
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