マネー

警察よりも頼りになるのは見知らぬ人?――「お金0.0」ビットコイン盗まレーター日記<第6回>

 警察には頼れない、被害届も出せない――約1000万円近い仮想通貨を盗まれた出野達也(23歳)は八方塞がりマン。投資に先立ち借りた計300万円の出資者たちに謝罪をしようとするが、母(100万円を出資)にはナジられ、親友(50万円を出資)には言えずじまい。文鳥にも相談できず孤独は募るばかり。この焦り、コク、苦みを誰かに打ち明けたい――そんな出野が頼ったのは、入会したばかりのオンラインサロンであった。「お金0.0」、連載第6回。この物語の生まれた瞬間が明らかになります。

仮想通貨で1000万円稼いだ若者を襲った悲劇のお話 第6回 オンラインサロン

――――先週からのつづき

僕「実は昨日…、色々あって・・・」
親友「そうか、おれも色々あった」

僕「え?どうしたんですか」
親友「会社、クビになりそう」
僕「…へ?」

親友「おれは非常勤アルバイトだろ?」
僕「はい…」

親友「年下の上司が仕事を押し付けてくる」
僕「はい」

親友「それが、非常勤アルバイトに押し付ける仕事じゃないんだよ」
僕「そうなんですね」

親友「ああ。だから無視してる」
僕「それ、まずいんじゃ…」

親友「うん。だからクビになりそう」

電「つぎは、シンジュク。シンジュク。都営新宿線・京王線・JR線・小田急線はお乗り換えです。都営新宿線は前方のエスカレーターをご利用ください。お出口は、右側です。
The next station is Shinjuku. Please change here for the Toei Shinjuku line, the Keio line, JR lines, and the Odakyu line.」

親友「じゃ、今日はありがとな」
僕「あ!はい!!!また!」

うわああぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ言えなかったあああああああああああぁぁぁぁぁ…
――――――――――

自宅(事故物件)に戻ってドアを開ける。何も知らない文鳥たちが出迎える。仮想通貨を盗まれて、鳥にも相談できなくて、迷惑をかけた人にも言えなくて、警察からも電話がない。

現実――――――――――

念のためにホッペをつねる。痛い。痛いと感じる夢かもしれない。もっとつねる。すごく痛い。

痛みはやがて涙にかわり、悔しさと悲しさと情けなさが現実に追加された。

藁にもすがりたいときに、藁もない。だれか、同じような状況のひとはいないだろうか。

考えろ、ほっぺつねってないで考えるんだ。僕以外にも、盗まれたひとがいるんじゃないか。

そうだ。

先月から入ってたオンラインサロンで聞いてみよう。あそこならビットコインやってる人もたくさんいたし、詳しい人もいるかもしれないし、誰かが力になってくれる、はず……なんだけど。

次のページ 
誰も…コメントしてくれない…か

1
2
3





おすすめ記事