通勤電車でイライラする瞬間 TOP10
サラリーマンは「通勤電車が混雑すること」自体に怒っているわけではない。30~45歳の男性会社員500人を対象に行った「Q.通勤電車でイライラを感じる瞬間は?」のアンケート上位に挙がったのは、いずれも自分勝手な行動を取る輩へのストレスだ。
Q.通勤電車でイライラを感じる瞬間は?
1位 満員電車の扉付近でスペースを確保。邪魔なのに乗降り時にいったん降りようとしない 371人
2位 人数割りのシートの真ん中に座って1人分スペースが減っている 355人
3位 ぎゅうぎゅうの満員電車に強引に乗り込もうとする 240人
4位 満員なのにスマホゲームに熱中、場所を取っている 199人
5位 自動改札で前の人がひっかかる 144人
6位 停止信号や人身事故などで徐行運転、もしくは停止を始めた 135人
7位 端の座席が空いた瞬間、猛スピードで移動する人がいる 110人
8位 週末夜には車両内にアルコールの臭いが充満する 97人
9位 駅のトイレが人気で渋滞するようになった 62人
10位 路線の住人が増えて混雑度が増した 57人
「もっとも被害者側になりやすいのがアラフォー世代かもしれません」と分析するのは、約30年に渡り、快適な電車通勤の理論を研究している電車通勤士の田中一郎氏。
「年老いて感情のコントロールができなくなった団塊世代に限って、満員電車でこれ見よがしに舌打ちをして周囲を嫌な気分にさせがち。『自分が楽しければいい』と考えて、両肘を広げてスマホゲームに熱中しているのはだいたい若者です。両者に挟まれたアラフォー世代は、無駄なストレスを溜めないための“妄想力”が重要です」
例えば1位「満員電車の扉付近でスペースを確保」(371人)している人を見たら、「もしかすると、電車がない国に生まれ育った人かもしれない。転勤で地獄に送り込まれ、怯えながら安全地帯を確保しているのだ」…というように、「許せるストーリー」を妄想すれば自然と怒りは収まってくる。
「2位の『人数割りのシートの真ん中に座って1人分スペースが減っている』(355人)も、心構えを変えれば対処できます。『座りたい』という気持ちを捨ててしまえばいいんです。『コイツは降りるだろう』と目を光らせていた客が降りなかったりすると、そこでまたストレスを抱えてしまいますから。空席を探さないほうが、精神衛生的にも健全な状態を保てます」
そもそも、ひと昔前に比べると通勤電車の環境はかなり緩和されていると考えることができる。今よりも乗車率が高く、空調も整っていない時代があったのだから。
「昭和30年代の通勤ラッシュの混雑率は300%以上を記録したとか。昭和48年の上尾事件のように、満員電車に堪えられなくなった乗客たちが大暴動を起こしたことも。一方で現在は、混雑率がワースト1位の東京メトロ東西線が約200%で、つらいことは事実ですが、昔を想像すれば快適に感じるかもしれません(笑)。“考え方”を変えても耐えられないなら、早起きして混雑する時間帯を回避するなど“行動”を変えてください。毎日ストレスを感じて生きるくらいなら、引越しを検討するのも一つの手段です」
結局のところ、満員電車は「逃げるが勝ち」ということか!?
【田中一郎氏】
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〈取材・文/浅原 聡 撮影/渡辺秀之 アンケート調査/エコンテ〉
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