夜の世界で学んだ「キャバ嬢のセクハラ対策」
処女キャラは効果てきめんでした。
はじめは「そんなわけないでしょ」と、鼻で笑っていたお客様たちもだんだん洗脳されてきて、キャバ嬢たちに「あの子、処女なんだって……」とコソコソ噂するようになり「真面目な子だから俺も真面目に接しないと」とセクハラは少なくなっていきました。
私は大喜びしていましたが、後遺症もありました。非日常を求めて遊びに来る夜の世界において、処女は重たすぎるのです。
「はじめての相手は俺じゃない(務まらない)。あなたは本当に好きになった人と初夜を迎えてほしい」と、指名をはずされるようになってしまったのです。
さらなる悲劇が追い打ちをかけます。友達のキャバ嬢から私が処女でないことをバラされて「真面目な子」から「嘘つきな子」に印象が変わってしまったのです。またもや失敗に終わりました。
ただ、これら一連の経験から、究極のセクハラ対策は「彼女対象、性の対象にならない」ことだとわかりました。
以後、私のためにお金を使うことのないお客様の席ではニコニコせず、下ネタは露骨に嫌な顔をし、ちょっとでもお触りがあろうものなら飛び跳ねて立ち上がり、露骨に離れて座るようにしました。
明らかに「僕のこと嫌いでしょ?」と言われることもありましたが、さして否定もせずにいると、セクハラをされることはなくなりました。
そのことでお客様を怒らせてしまい、店から叱られることもありましたが、指名でもないお客様にセクハラされて、ヘラヘラしているキャバ嬢は尊敬できません。
キャバ嬢に万人受けは必要ありません。
99人に嫌われても熱狂的に好きになってくれるお客様が1人いればお金は稼げます。キャバ嬢たるもの、そんな営業の邪魔にしかならないセクハラなどにいちいち神経をすり減らしてないで、もっと自分の売上を作ることに集中してほしいです。
セクハラはダメですが、男がいて女がいる以上、多かれ少なかれセクハラはこれから先も起こる問題だと思います。
不思議なことに、嫌いな人にされると何でもセクハラに感じますが、好きな人にされるとセクハラに感じないものです。お金をたくさん使えばセクハラをしてもいいというわけではなくて、セクハラしたい男の人は、もっと異性に好かれる努力からはじめたほうがいいと思います。
<TEXT/内野彩華>新宿歌舞伎町キャバクラ「アップスグループ」オーナー。株式会社アップス代表取締役社長。津田塾大学卒業。25歳のとき、当時勤めていた外資系IT企業をやめて、歌舞伎町にキャバクラを開業。現在、歌舞伎町にキャバクラを4店舗、銀座にクラブを2店舗展開するまでに。キャバ嬢の育成やキャバクラの立ち上げ、経営改善のコンサルティングなども行い、グループ年商は10億円にもおよぶ。著書『劣等感を力に変える 成り上がる女の法則』が発売中
夜の仕事で学んだ究極の「セクハラ対策」は?
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ