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創価学会・公明党がついても、国民が本気で怒れば自民党は勝てない<倉山満>

創価学会・公明党がついても国民が本気で怒れば自民党は勝てない

 今日の沖縄は、明日の日本だ。沖縄は日本本土の鏡と言ってもよい。  沖縄は、独特の歴史を持つ。  公式に日本国の領土となった最初は嘉吉元(1441)年だが、それ以前から事実上は日本文化の土地である。琉球語は日本語方言であるし、鎌倉仏教の寺院も多く建つ。そして、一度として中国の領土となったことはない。  しかし、敗戦において真っ先に占領され、本土よりも過酷な占領体制を敷かれた。本土が’52年に占領から解放されても、なお20年も米軍の統治下におかれた。今も多くの米軍基地が残る。こうした歴史を背景に、中国は沖縄で反日を煽り、呼応する日本人もいる。だから、野党が強い。  では、大半の沖縄の人々は政治に関心があるのか。無い。ノイジーマイノリティーの左翼が反米反日を煽っているだけだ。さらに少数派の“ノイジー保守ノリティー”など、新興宗教のひも付きか、錯乱した活動家の政治団体ばかりだ。  では、沖縄でどれくらい保守が少数派か。過去2回の県知事選挙で、公明党・創価学会がついたときは勝ち、応援してくれないと野党に負ける。自民党が、その程度である。政権与党でありながら公明党・創価学会がいなければ何もできない。こうした状況に、普通の人はますます政治に関心を持たなくなる。  日本全体と同じだ。だから沖縄は日本全体の縮図なのだ。  安倍一強と言われて久しいが、それとて選挙で創価学会が応援してくれる賜物だ。ほんの1年前の夏を思い出してみよ。  今では信じられないが、小池百合子東京都知事が飛ぶ鳥を落とす勢いで、都議会議員選挙で自民党は完敗した。1人区は島嶼部以外で全敗。2人区の檜原村ですら落とした。言っては悪いが、檜原村は電車も通っていない、とても東京とは思えない超田舎だ。そんな選挙区でも、自民党は創価学会・公明党の助けなしでは勝てない。  秋の衆議院選挙では公明党・創価学会の助けで現有議席を維持したが、安倍一強など砂上の楼閣にすぎないのだ。  政界の一寸先は闇。  かつて、リーマンショックで無能の限りを尽くした麻生内閣は、国民の怒りを買って敗北した。創価学会・公明党がついても、国民が本気で怒れば自民党は勝てないのだ。  今の沖縄県知事選と来年の参議院選挙はつながっている。
1973年、香川県生まれ。救国シンクタンク理事長兼所長。中央大学文学部史学科を卒業後、同大学院博士前期課程修了。在学中から’15年まで、国士舘大学日本政教研究所非常勤職員を務める。現在は、「倉山塾」塾長、ネット放送局「チャンネルくらら」などを主宰。著書に『13歳からの「くにまもり」』など多数。ベストセラー「嘘だらけシリーズ」の最新作『嘘だらけの日本古代史』(扶桑社新書)が発売中

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