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高級車で「あおり運転」する50代ヒラ社員、軽自動車と女性ドライバーが標的

あおり運転で暴走する理由

 彼らはなぜ暴走してしまうのか? その理由を、「自分の優位性を確認するため」と指摘するのは、日本アンガーマネジメント協会理事の戸田久実氏だ。 「あおり運転をしてしまう人には短気で自分の運転に自信がある、という大きな特徴があります。さらに、意のままに操縦できる車は“鋼鉄の鎧”と錯覚しやすく、大型車や高級車に乗る人ほど強気な運転をしやすくなります」
[令和版]負け組の衝撃

戸田久実氏

 実際に日本アンガーマネジメント協会の調査(’19年5月)によると、「運転中にイライラしたことがある」人は全体の9割で、その半数近くが「あおり運転をしてしまった」と回答。そんな車と自分の価値を同一視したドライバーが標的にしやすいのは、軽自動車や女性ドライバーだと戸田氏は分析する。 「仕事上のストレスを抱え、客の立場でサービス業の従業員などに八つ当たりをする『カスタマーハラスメント』(カスハラ)とあおり運転は近いのかもしれません。運転技術に自信のある人が、圧倒的優位に立てる道路上で傍若無人な態度をとるのです」  怒りという感情は強いものから弱いものへ流れる。しかし、その怒りはどこからくるのか。 「『怒り』は第二次感情と呼ばれ、その裏には『寂しさ』、『悲しさ』などの第一次感情が潜んでいます。『怒り』に身を任せるとその原因を解決できないまま破壊的な行動をとってしまうので、カーッとなったら6秒待ち、冷静さを取り戻しましょう」(戸田氏) 【日本アンガーマネジメント協会理事・戸田久実氏】 怒りに振り回されず人間関係を向上させる講演講師等を民間企業、官公庁にて歴任。主な著書に『アンガーマネジメント 怒らない伝え方』(かんき出版) <取材・文/週刊SPA!編集部>
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