オジュウチョウサンの冒険「敵は9歳という己の年齢か……」阪神SJ予想
果たして冒険はどこまで続くのか……これまでオジュウチョウサンは障害競馬絶対王者から一昨年の有馬記念挑戦に続き、昨年は春は障害、秋は平地重賞挑戦とこれまでにない馬生を過ごしてきた。今年9歳馬となったオジュウチョウサン、ここに若き障害のトップホースが挑むレースとなったのが、中山グランドジャンプ前哨戦・14日の阪神スプリングジャンプ(J・G3)だ。無観客レースが続くなか、競馬界の希望を背負ったレースになるだろう。
<3月14日阪神8R 阪神スプリングジャンプ>
1 ハルキストン 中村 将之
2 オジュウチョウサン 石神 深一
3 シゲルスズキ 佐久間 寛志
4 トラスト 熊沢 重文
5 ヒロシゲセブン 高田 潤
6 シングンマイケル 金子 光希
7 スズカプレスト 北沢 伸也
8 ブライトクォーツ 西谷 誠
9 シンキングダンサー 五十嵐 雄祐
昨年秋にアルゼンチン共和国杯・ステイヤーズステークスと挑戦したオジュウチョウサンだが、昨年も阪神スプリングジャンプと中山グランドジャンプを快勝。いまだ障害では絶対王者で障害連勝記録は11に伸ばしている。懸念はやはり年齢だけだ。「敵は自身が9歳になったということでしょうか。このメンバーでも最高齢」(g.kishi氏)
そんなオジュウチョウサンが平地重賞挑戦を続けているなか行われた、昨年末の中山大障害を制したのが新王者シングンマイケル。ジャンプの美しさが売りの同馬は、障害を低くなぎ倒すように飛ぶオジュウチョウサンとは正反対のスタイルだ。ジャンプでの消耗は少なく高い安定性を誇り現在障害戦は直近重賞3連勝、掲示板を外したことは14戦して一度もない。「オジュウチョウサン以外のほとんどの馬に直接対決で勝っている」(g.kishi氏)という点も人気になろう。
そのシングンマイケル相手に中山大障害で1番人気ながら4着まで沈んだシンキングダンサーは、中山グランドジャンプでオジュウチョウサン相手に2着2馬身差だった。オジュウチョウサン以上にジャンプは安定感がないのがネックだが、年々解消されてトップ争いまで成長してきた。だが、その成長を共にしてきた金子光希騎手はシングンマイケルに、オジュウチョウサンが平地挑戦している間に騎乗してくれた石神深一騎手も当然オジュウチョウサンに戻り、鞍上は初騎乗となる五十嵐雄祐騎手だが今年まだ未勝利。果たして新コンビはどこまで結果を出せるだろう。
そして、新たな障害スター候補として注目されつづけた馬がトラストだ。総帥・岡田繁幸氏が馬主の同馬は地方・川崎デビューから中央に転厩し、重賞の札幌2歳Sを制している平地重賞ホースだ。障害は’18年秋にデビューしてから5戦4勝3着1回。だが、怪我が多くなかなか安定して出走できていなかった。しかし今年は牛若丸ジャンプSを制し、休むことなく出走できている。鞍上は平地・障害どちらも騎乗する元祖二刀流・熊沢重文騎手。平地でも結果を出した馬はお手のものだろう。
だが、怪我がちの同馬への懸念はこれだけではない。「平地実績から人気しそうですが、長い距離が初めてで目標になる競馬だとどうでしょうか……」(g.kishi氏)
本命候補は目移りしそうなくらい魅力的だが、割って入る馬はいるのだろうか? 5歳馬で障害ではこれから力をつけそうな馬にg.kishi氏は注目する。「穴なら、脚質に幅のあるハルキストン。一度、’18年末の障害OPでシングンマイケルに勝っている実績があり、距離は未知数ながらまだ5歳という若さを活かせば面白いですよ」
また、シングンマイケルが勝った中山大障害での2着馬ブライトクォーツが盲点になっている。「これまで中団からレースをしてましたが、中山大障害では6番人気ながら先行で穴をあけました。脚質転換がハマった可能性があります」
こうなると「買い方」が重要になる。g.kishi氏の結論は?
今回の勝SPA!予想陣も公営競技ニコ生解説の筆者・シグナルRightと、競馬ブログ界の重鎮「世界的備忘録」のg.kishi氏の松坂世代同期コンビでお送りする。
障害絶対王者に新王者らが挑む
新王者に勝ったことのある穴馬
1
2
公営競技ライター・Youtuber。近鉄ファンとして全国の遠征観戦費用を稼ぐため、全ての公営競技から勝負レースを絞り込むギャンブラーになる。近鉄球団消滅後、シグナルRightの名前で2010年、全公営競技を解説する生主として話題となり、現在もツイキャスやYoutubeなどで配信活動を継続中。競輪情報サイト「競輪展開予想シート」運営。また、ギャンブラーの視点でプロ野球を数で分析するのが趣味。
記事一覧へ
Twitter:@signalright
記事一覧へ
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ