天皇賞春は血統?コース実績?それとも…競馬識者3人の注目馬紹介
――最後に、元競馬エイトトラックマンで現在は競馬伝道師として『元敏腕競馬TMの期待値マシマシ話』連載も好評な鈴木ショータ氏だ。注目点はなんと「ちょっぴり不器用」な馬?!
~競馬伝道師・鈴木ショータ氏~
<注目本命馬>
4番ダンビュライト
<オススメ対抗馬>
14番フィエールマン
<注目穴馬>
2番エタリオウ
今年は“ダンちゃん風ちゃん”コンビに期待したいですね。
本命候補ダンビュライトは松若騎手騎乗のレースでは【3・1・0・2】と好成績。これは普段の調教から松若騎手が乗っていることが大きいと思うんです。ちょっと不器用な面があるので切れ味には欠けますが、上がりがかかる消耗戦は得意な馬。2200m以上で、レース上がりが35.0秒以上なら、【2.1.1.3】。着外は3歳時の菊花賞5着と、宝塚記念で仕掛け遅れて5着だったもの。そして前走のジャパンカップ(14着)。東京では天皇賞秋の放馬などがあって、馬が嫌いな場所として覚えてるんだと思います。似たように、サートゥルナーリアも東京では走らないですよね。話が逸れましたが、肝心の天皇賞春の平均レース上がり3Fは、35.4秒とこの馬の好走ゾーンにマッチします。極端にスローにならなければ、ちょっと不器用でもバテない強みを持つこの馬が激走できるんじゃないでしょうか。
対抗にしたフィエールマンもコーナリングが得意でない不器用なタイプ。負けたレースを分析すると、やっぱり加速に時間がかかってしまい差し損ねています。ただこの不器用さを逆手に取ると、好走パターンが見えてきます。国内では、直線が400m以上のコースでは新馬戦、菊花賞、天皇賞春と全て1着なんです。無敗である以上、特別消す理由がないですね。大外枠が嫌われると思いますが、今年はフルゲート割れというところがポイントだと思いますし、枠順で嫌われて人気を落とすなら配当的にも買いたい馬です。
注目穴馬に選んだエタリオウは本命にするか悩んだ馬。「最強の1勝馬」なんて言われていますが、ステイゴールドの産駒は弱い相手にも負けてしまう反面、GⅢ<GⅡ<GⅠとグレードが上がるごとに勝率も上がるガッツがあるんですよ。福島牝馬Sで格上挑戦ながら13番人気2着と穴をあけたリープフラウミルヒも同産駒でしたね。輸送に弱いので関西圏のレースになるのはいいですし、昨年は3着馬とは同タイムの4着。横山典弘騎手(今回騎乗するのは川田騎手)が競馬を教えて、先行できるようにもなっているので、昨年以上の走りは期待できると思います。
――3人とも様々な視点から注目する馬を取り上げてもらったが、全て違う切り口からだったのは競馬の奥深さと楽しさを感じますね。しばらくは家で競馬を楽しむ日々が続きますが、レース観戦を楽みつつ、しっかりネット投票で的中して喜び倍増といきたいところです。
【TARO氏】
競馬予想ブログとしては屈指の人気を誇る『TAROの競馬』を主宰する気鋭の競馬予想家。最新の著書に『競馬記者では絶対に書けない騎手の取扱説明書』(ガイドワークス)、『回収率を上げる競馬脳の作り方』『回収率が飛躍的に上がる3つの馬券メソッド』(扶桑社)が発売中。
※最終的な結論はブログ『TAROの競馬』にて無料公開予定。
【本島修司氏】
作家、エッセイスト。喫茶店を舞台にしたエッセイや、競馬論を中心に執筆。中でも競馬論は、’08年に「馬単位」という概念を提唱。セオリーや型を用いた見解と、予想売りにならない姿勢が多くのファンから支持されている。近刊に『競馬GⅠ勝利の真セオリー』、小林弘明氏との共著『日本競馬頂上分析』(秀和システム)。『自分だけの「ポジション」の築き方』(WAVE出版)など。
【鈴木ショータ氏】
元「競馬エイト」トラックマン(栗東担当)。学生時代には中央、地方を全場渡り歩き、フランス、香港、ドバイまで駆け回っていた、根っからの現地観戦好き。『競馬伝道師』として週刊大衆やモンドTV「競馬バトルロイヤル」などでも活躍している。SPA!が運営する日刊SPA!内のギャンブル情報サイト「勝SPA!(かちすぱ)」の取材班。Twitter(@kspa_official)
ちょっぴり不器用な馬が面白い!
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