現役東大生の布施川天馬と申します。学生生活の傍ら、ライターとして受験に関する情報発信などをしています。
贅沢は「数か月に一度のサイゼリヤ」だった幼少期
皆さんは「受験」といわれると、どういうイメージを持つでしょうか。勉強がつらい、面倒くさい……そういう印象を持つ方が多いと思いますが、こう考える方も多いのではないでしょうか?「
受験はとにかくカネがかかる」と。
たしかに受験勉強ってとっても金がかかるんですよね。いい中学、高校、大学に行こうと思えば、独学で勉強して……というのは難しい。当然、塾に通うのが一番効率的なのですが、そうなるとどうしても
一年間で100万円以上の出費となってしまいます。
「100万円も!?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、塾の授業料、模試の受験料や夏期講習などの講習費用がかかりますし、移動にかかる交通費や食費まで数えなければならないので、どうしてもこれくらいはかかってしまいます。
そして、上位の学校を狙うとなれば尚更です。
東大に通う多くの学生も受験生だった頃は塾を掛け持ちしたり、参考書をたくさん買ったりして、めちゃくちゃ受験に金をかけて合格している場合がほとんどです。
しかし、そんな中で、僕はおそらく
誰よりも「お金をかけずに東大合格をもぎ取った人間」です。なぜお金をかけずに大学を受験したのかというと、僕の家は世帯年収が300万円台と非常に貧乏だったため、お金をかけたくてもかけられない事情がありました。
極限まで節約して果たして東大合格
子供の頃に外食した経験もほとんどなく、たまに
連れていってもらったサイゼリヤのエビグラタンが僕にとってのごちそうでした。それも数か月に一度程度、僕にとってサイゼリヤのグラタンは特別なご褒美に感じられるものでした。
そんな家庭なため、
受験に対して10万円はおろか、1万円だって出すのが難しいような環境だったのです。
しかし、それでも僕は東大に合格することができました。
「どうせ元から頭がよかったんでしょ」と思われる方もいるでしょうが、そうでもありません。僕が通っていたのは偏差値50〜55程度の学力的には平凡な学生が集まる高校で、東大への合格者も僕で同校史上3人目という状況。
天才でも神童でもなんでもなく、基礎的な学力でいえば、どこにでもいる凡人です。もちろん学校の先生方には大変よくしていただきましたが、それでも東大の受験情報が少なすぎてとても苦労しました。
比較的得意だった日本史は独学。東大受験では「日本史」「世界史」「地理」のうち2科目が必要だが、通っていた高校にはそもそも地理担当教員がおらず、しかもカリキュラム上、日本史か世界史のどちらかを独学で学ぶ必要があった
「お金がないなら無理して東大を目指さなくてはいいじゃないか!」と思われるかもしれません。確かにその通りなのですが、
僕の場合は東大でなくてはいけない理由がありました。
まず、大学に通おうと思ったのは両親の勧めでした。将来、お金で苦労したくないのであれば、絶対に大学までは進学しなさいと教えられていたからです。
両親はともに貧乏な子供時代を過ごしていたようで、それぞれ夜逃げを経験していました。決していいとはいえない暮らしぶりを経験してきた両親だからこそ、せめて子供の僕には苦労しないで生活していってほしいと思ったのでしょう。
実際、
大卒で就職するのか高卒で就職するのかで数千万単位で生涯年収が異なってくるというデータもあります。「大学は絶対に出なさい」と言ってくれた両親には今も深く感謝しています。
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『
東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『
東大式時間術』がある。
株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:
@Temma_Fusegawa)
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