仕事

「共働き」「兼業」しないと食えない? 10年後の日本がシビアすぎた

生活様式や価値観が目まぐるしく変わる現代。テクノロジーの進化によって、それはますます加速度を増している。10年後、日本の未来はどう変わっているのだろうか? 我々が今から準備、そして覚悟しておくことは? 予測される未来で、生き抜く術を探った。

「共働き」かつ「兼業」しないと食えない“超二極化時代”が来る

稼ぎ方

イラスト/田川秀樹

 働いて収入を得る営みは、いつの時代も変わらない。しかし10年後の個人の働き方や職場の風景は大きく変化する。AIに詳しい経済学者の井上智洋氏が語る未来はこうだ。 「多くの人が『AIに仕事が奪われる』という不安を抱いていますが、あらゆる仕事を任せられる汎用人工知能技術が、10年後に実現するかはわかりません。ただ、今のAIの延長上の技術で対応できる分野では、雇用に大きな影響を及ぼす。  その代表例が自動運転技術で、実用化されれば、自動運転のタクシーやトラックが街を走り、人間の運転手は解雇される可能性が高い。実は政府は、’30年までに物流の完全無人化を実現するとぶち上げていますし、この10年で世界は大きく変化すると思います」  アメリカでは既にAIによって雇用が失われている業種がある。それは金融業だ。 「すでに証券アナリストや株式などのデイトレーダー、資産運用アドバイザーの業務がプログラムで自動化されています。AIを含む、ITによる雇用の不安定化はほとんどの業種で起きるでしょう」

給与面では明るい展望はない

 すでに今の時点でも、大手企業でIT化の波に乗れない中高年を対象にした早期退職実施は昨年の2.6倍。10年後は推して知るべしだ。  また、運良く会社に居続けられたとしても、給与面では明るい展望はないと分析するのは、人事コンサルタントの平康慶浩氏だ。 「国税庁が公表している『民間給与実態統計調査』を分析すると、過去20年間で資本金10億円未満の企業の給与は下がり続けています。  一方、資本金10億円以上の大企業の給与は微増。今後もこの状況が変わらなければ、超エリートの年収だけが上がり続け、その他の人々は貧困層に陥る二極化が、確実にやってきます。  特に40代以上では、従来の日本企業で一般的だったメンバーシップ型雇用からの脱却が進み、定期昇給が薄れていくことになります」
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