ライフ

東大生が感動した「読みやすいのに、驚くほど教養が身につく本」ベスト3

○『反論の技術 その意義と訓練方法』

香西秀信 著(明治図書)
『反論の技術 その意義と訓練方法』

『反論の技術 その意義と訓練方法』

 皆さんは相手の意見にうまく言い返せなかったなんて経験はありませんか?  僕は、あまり口がうまくないので、何度もそのような経験があります。高校生の頃などは、毎日なにかしらの会話のミスをしていたので、帰り道の途上、ずっと一人反省会をしていたものでした。  こういうときは不思議なもので、あとから冷静になって考えると、いくらでも最適解が浮かんでくるものです。  しかし、いざ臨戦態勢になると、思うように頭が回らず、口も閉じっきりになり、相手の言うことに「ウン」か「ソウダネ」しか言えなくなってしまいます。話し合いも言い負かされっぱなしでした。  それもそのはず。議論を行うなら、まず「反論」から行うべきだからです。

「反論の技術」が必要なわけ

 この『反論の技術 その意義と訓練方法』は、「そもそも議論教育をするのならば、『反論の技術』を身につけるところから始めなくては意味がない!」というところから始まります。  なぜ議論をするのに「反論」から入るのか? それは、すべての主張は何かしらの反論だからです。  たとえば、「他人のものを盗んではいけないよ」という標語については議論が生まれません。100%みんなが「そうだね」と言ってくれるからです。みんなが当たり前だと思っている以上、新しく主張すべきことが生まれません。  議論は「ある意見があり、それに対して新たな主張があるから起こりうる。だからこそ、すべての主張は何かしらの認識に対する反論から生まれるのだ」ということを丁寧に解説してくれています。  本書ではさまざまな例文を引用して「なぜその意見文がダメなのか」を交えつつ、反論の技術について説明しています。 「いつも自分は言われっぱなしだ」という人は一度反論とは何か、議論のイロハから学びなおすのはいかがでしょうか?
次のページ
数学界の“悪魔”をめぐる物語
1
2
3
4
5
1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。著書に最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』がある。株式会社カルペ・ディエムにて、講師として、お金と時間をかけない「省エネ」スタイルの勉強法を学生たちに伝えている。(Xアカウント:@Temma_Fusegawa

東大式節約勉強法東大式節約勉強法

目標達成のための最短ルート、最小コストの具体的な方法が満載


人生を切りひらく 最高の自宅勉強法人生を切りひらく 最高の自宅勉強法

週3バイトしながら東大に合格した著者が明かす「最高の勉強法」


東大合格はいくらで買えるか? (星海社 e-SHINSHO)東大合格はいくらで買えるか?

東大生100人調査でわかった教育投資の正解 (星海社 e-SHINSHO)


記事一覧へ
【関連キーワードから記事を探す】