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東大生が感動した「読みやすいのに、驚くほど教養が身につく本」ベスト3

○『フェルマーの最終定理』

サイモン・シン 著(新潮社)
『フェルマーの最終定理』

『フェルマーの最終定理』

「nが3以上の整数のとき、x^n+y^n=z^nを満たす自然数(x,y,z)の組は存在しない」という定理があります。  高校生でも理解できるような簡素さに反して、この問題は何人もの天才を苦悩のうちに殺してきた“悪魔”だったのです。  17世紀に裁判官の傍ら、アマチュアの数学者をしていたピエール・ド・フェルマー。彼は天才的な数学の能力を持っており、それでいて、ちょっとだけ意地悪な人でした。自分の研究成果として新しく定理を証明すると、知り合いの数学者に「証明できるもんならやってみろ」という手紙とともに、定理を送り付けていたのです。  そんな彼の死後、数学界に課された宿題は「フェルマーが定理として示したけど証明がついていないアレコレを全部証明してみる」ということでした。数学者たちに送り付けられたのは氷山の一角にすぎず、膨大な量の「証明付きでない定理」が発見されることになったのです。

死後330年を経て、若き天才が打ち倒す

 一つ、また一つと数学者たちはこの宿題をこなしていきました。しかし、300年以上たった20世紀になってもなお、まったく証明のめどが立っていない問題があったのです。それこそが冒頭に紹介した定理。いつしか、この問題は「フェルマーの最終定理」と呼ばれるようになっていました。  これを証明したのはイギリスの若き天才数学者のアンドリュー・ワイルズでした。彼は、たった一人で屋根裏の作業部屋にこもり、数年かけてこの難問を解き明かしたのです。詳しい経緯は、ぜひこの『フェルマーの最終定理』を読んでお確かめください。  数百年間もの間、天才たちの心をへし折り、失意のうちに殺してきた悪魔の定理をフェルマーの死後330年、若き天才が打ち倒したという事実は、ちょっとした冒険譚のようにも思えます。知的な世界にワクワクしたい方にオススメです!
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