更新日:2023年12月25日 18:06
エンタメ

M-1制覇の令和ロマン、次世代エースが「伝説」を残した激闘ドキュメント

▼4番手 カベポスター

カベポスター

©M-1グランプリ事務局

 4番手。ここで初めて最終決戦に残れない敗退コンビが決定する。登場即敗退を避けたいのが、2年連続2回目の「カペポスター」。ネタはしゃべくり漫才。ボケ担当永見君が小学生の頃に願い事が叶うおまじないがあったという。しかし、聞いてみると、ただただ校長先生や音楽の先生を脅しているだけだった。  指摘するツッコミ担当浜田君に爆笑が起こる。怖い話をするように静かに語る永見君に対して浜田君の声質のいい伸びやかなツッコミが会場の空気を作る。「ズッラブ」「ズッゼリ」など、ネタ中に作った言葉をうまく繰り返すことで後半に大きな笑いを作る。最後は少し噛んでしまったがそこは採点に問題なく終了。  山田邦子さんは「コンビネーションがよくて、このネタが好き」と褒めたが大吉さん、富澤君、塙君、松本さんと80点台が並ぶ。全員が「振りの長さ」を指摘。得点635点。ここで「シシガシラ」が敗退となった。

▼5番手 マユリカ

マユリカ

©M-1グランプリ事務局

 5番手に登場は決勝初進出の「マユリカ」。ネタはおしゃべりからコントに入る漫才コント。「夫婦の倦怠期」という設定。  ボケ担当阪本君が「ご飯にする? その後お風呂にする? 今日もお前はええわ」とボケれば「何お前ー!!」とツッコミ担当中谷君の絶叫ツッコミが序盤から炸裂する。阪本君は「東大出てフードファイター」「冬になったら浴槽でおでん作る」「尾木ママのサイン集めてる」など大喜利の強さで笑いをかっさらう。  不倫を責められる阪本君は「不倫というか、ずっきんずっきんぷっちん不倫です。ポンピーン」で言い放ち、中谷君に舞台下手へと追い詰められる。常軌を逸した中谷君に爆笑。最後は「ノーシンピュアちょうだいよ!」で大爆笑でフィニッシュとなった。  高得点が期待されたが得点645点。僕が思っているほど点数が伸びなかった。松本さんは「心地のいい笑いの上がって行き方。気持ちいい」と高評価。ネタ終了後の「キモだち」や「汚れ」のところのからみも完璧で、ポスト「ブラックマヨネーズ」を感じさせる立ち回りで沸かす。今後に期待のコンビだ。第3位滑りこみ、ここで「カベポスター」の敗退が決定した。
次のページ
ヤーレンズ、真空ジェシカ…
1
2
3
4
5
6
7
8
1972年、大阪府生まれ。1992年、11期生としてNSC大阪校に入校。主な同期に「中川家」、ケンドーコバヤシ、たむらけんじ、陣内智則らがいる。NSC在学中にケンドーコバヤシと「松口VS小林」を結成。1995年に解散後、大上邦博と「ハリガネロック」を結成、「ABCお笑い新人グランプリ」など賞レースを席巻。その後も「第1回M-1グランプリ」準優勝、「第4回爆笑オンエアバトル チャンピオン大会」優勝などの実績を重ねるが、2014年にコンビを解散。著書『芸人迷子

芸人迷子

島田紳助、松本人志、千原ジュニア、中川家、ケンドーコバヤシ、ブラックマヨネーズ……笑いの傑物たちとの日々の中で出会った「面白さ」と「悲しさ」を綴った入魂の迷走録。

⇒試し読みも出来る! ユウキロック著『芸人迷子』特設サイト(http://www.fusosha.co.jp/special/geininmaigo/)

記事一覧へ
おすすめ記事