加計学園に市税96億円投入…でも潤うのは地元今治市ではなく岡山の業者
加計学園(岡山理科大)の獣医学部新設が大問題となっている。この問題で最も大きな負担を背負うのが、最大で建設費の半額にあたる96億円を支払うことになった地元今治市。税金は投入するものの、それで地元の業者が潤うなら……という意見もあるかもしれない。しかし、その期待はほとんど裏切られている。
今治市内の工事現場を訪ねると、看板には「建築主:加計学園理事長・加計晃太郎(一般名は孝太郎)」とあり、受注業者の「アイサワ工業」や「大本組」の名前もあった。設計者の「SID創研」も加計学園のグループ企業だ。なおアイサワ工業は、逢沢一郎衆院議員(元外務副大臣)の祖父が創業、現在は従兄が経営。逢沢氏や自民党にも献金をしていた。
加計学園の加計孝太郎理事長は安倍首相が「腹心の友」と呼ぶ間柄。そして逢沢議員の選挙区である岡山1区には加計学園の本部がある。地元今治の建設業界に詳しい市関係者はこう話す。
「『アイサワ工業』と『大本組』が獣医学部新設工事の元請けになっていますが、両方とも岡山の業者です。今治市は市有地を無償譲渡し、多大な財政支出をするわけですから、経済波及効果を期待する声は強く、『地元の業者がほとんど入っていないのはおかしい』という疑問の声が出ています」
実際、工事が本格化する前の2016年秋頃、「地元の業者をできるだけ使ってほしい」という要請が今治市議から市担当課(企画財政部)に出された。しかし蓋を開けてみると、ほとんど地元業者が入っていないことが明らかになった。
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ジャーナリスト。『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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