ナッカム

 ホンのみじかい時間だが、
女子大生と語らう時間があった。

 そして、語らいの最中、
彼女のスマホに電話が入り、
彼女はこんな風に受けた。

「ああ、ナッカム!?
久しぶり〜! 元気ぃ?」

 私はそのやりとりを聞いて、
少なからず面を喰らってしまった。

「人と話すときは、キチンと
ケータイの電源切っとけよ!」

……などといったことでは全然なく、

「中村」

という名字を持つ人に対する、
イマドキのヤングたちが付ける、
あだ名のセンスに、

である。
(もしかすると、相手が本当に「ナッカム」という名の外国人だった可能性も否定できないが、漏れ聞こえる声が男子の流ちょうな日本語だったので、ほぼ間違いなく中村クンだ)

 たとえば、私が中村さんを、
親しみをこめて呼ぶなら、

思いつくのは

「なかむらちゃん」
「なかやん」

あたりがせいぜいで、

どんなに頑張っても、

「なかむー」

を捻り出すのがやっとだろう。

 自信を持って断言するが、
サッカー選手みたいでカッコイイ

「ナッカム」

には絶対にたどり着かないのである。

 こう、たやすく

日本語を英語っぽく
アレンジできる

のは、もしかすると
J-POP世代特有の
感性なのかもしれない。

 何はともあれ、

言語というものは、
我々の気づかないうちに
日々進化しつづけている

ということだ。

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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