Facebook考

 例外や程度の差こそあれ、

基本として
公人や企業じゃなく、
私人が

Facebook

に書き込む事柄とは、

本人にとっては、
ある意味、非日常

ミニ事件

であるケースが
大半を占める、と思う。

 つまりが、

誰々とどこ何処で飲みました
だとか、
白金台で美味しいスィーツに出会いました
だとか、
力道山と木村政彦の問題の一戦をYouTubeで見つけました
だとか、
富士山に登って朝日をみました
だとかの、いわゆる

ちょっとした
トピックス
だ。

 そして、Facebookを
やっている人たちの概ねは、

「変わりばえなく過ぎ去っていく毎日に
もっと、こんなトピックスが起きればいいのにな……」

といった願いを秘やかに込めながら、
自分のウォールに

写真を添付し、
文をしたためている

のではなかろうか。

Facebookは、
利用者の願望を
表すツールでもある

わけだ。

 ちなみに私は、
いつもFacebookで、

近所のカフェや喫茶店で
デイリースポーツを熟読する
毎朝の変わりばえしない日課

を、

チェックしていただいている“友達”から、

「最近、ネタ切れ気味じゃない?」

などと厳しい指摘を受けたりしながらも、
延々とほぼ1年近く、掲載し続けている。

 逆に、
名古屋に出張に行った
だとか、
シャトーマルゴーを飲みました
だとか、
売れっ子AV嬢と奇跡的にデートができました
だとかのトピックスは
徹底して排除する方向で
とりあえずはすすめている。

 もし、Facebookが本当に

利用者の願望を表すツール

であるのなら、

少なくとも今の私は、

トピックスのない
淡々とした日々平穏な毎日

を望んでいるのだろう。

 もっと言うなら、

しょぼくれたい

のだ。

 本格的に50歳を越えて、
周囲の環境が激変すれば、
また私の滾った部分
沸々と煮えたぎり、

トピックスに
執着する
ギンギラ野郎

へと変体するのかもしれないが。

そうであって欲しい私と
あって欲しくない私、

二人がいる。

Facebookのデイリータイム写真。今日はちょっと贅沢してルノアール(珈琲一杯530円!)に行きました。

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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