またされた!

 ある企画書を書こうと、お気に入りの喫茶店に向かうため、渋谷の裏通りをフラフラしていると、
また 職務質問にあってしまった。

 自慢じゃないが、私は繁華街を歩けば、信じられないほどの高確率でお巡りさんに、

お忙しいところすみません……。

と足を止められる。

 それも、何かを思い詰めているときほど、その確率はぐんとアップする。

 この日も、

今日の晩ご飯は鶏の水炊きにしようか、魚のちゃんこ鍋にしようか……

と思い詰めながら歩いていた。

 一度は、B-BOYがかぶるようなツバを折り曲げていないキャップに、パーカーとチノパン、そして大げさなバッシュというチャラい格好をした若い私服警官に、
いきなり警察手帳を差し出されたこともある(さすがに最初は、なにかの冗談だと思った)。

 これだけ大勢の通行人のなかから、情緒不安定気味な人間を瞬時に見分けるあたりはサスガだな、
といつも感心するが、呼び止められるたびに、基本的にやましいことはなにもない私としては、
考えようによっては、

警察の上を行っている!?

と、誇らしい気分に浸れたりもするのである。

 この日も、パッと目が会って、お巡りさん3人が近づいてくると、
待ってましたと言わんばかりにバックほかの持ち物をすべて差し出した。

 しかし、この日のお巡りさんたちは少々念入りで、財布のポケットひとつ一つまでを事細かにまさぐるのだ。

 そして、中から金色の紙に包まれた小さな薬袋みたいな物が出てきた。

これはなんですか?

 リーダーらしきお巡りさんが、柔らかい口調ではあるが、鋭い目で詰問してくる。

 あきらかに私は動揺する。

 パケではなく、お守りとして財布に忍ばせている蛇の皮だった。

 必死で説明して(必死になればなるほど怪しさを増しているのを我ながら痛感)わかってもらうのに、10分近くを要した。

 最後は一人のお巡りさんが、

ああ、蛇の皮って財布に入れるとお金が貯まるだよねー

と、助け船を出してくれて、無事解放となったのだが、

今回のゴメスVS警察の戦いは、なんとなく引き分けな感じでゲームオーバーとなり、
少々の悔しさを胸に抱きながら、目的の喫茶店へと向かう私であった。

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だって、こんな怪しい場所に、美味しいアイスコーヒーの飲ませてくれる素敵な喫茶店があるんですもの……。ちなみに、余談ではあるが(余談ではない?)、約3年前にネパールから帰国した私は、税関で2匹の麻薬犬にバウバウ吠えられて追いかけられた経験もある。

PROFILE

山田ゴメス
山田ゴメス
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。著書に『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)など
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
『「若い人と話が合わない」と思ったら読む本』(日本実業出版社)
OL、学生、フリーター、キャバ嬢……1000人以上のナマの声からあぶり出された、オヤジらしく「モテる」話し方のマナーとコツを教えます

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