山田ゴメスの俺の恋を笑うな
夢日記(7)
またドラフト指名された
夢を見た。
今回の私は、
ドラ6だが
入団先は、
憧れの
阪神タイガース。
阪神は大好きだけど、
プロになるなら選手育成の上手そうな
日ハムやヤクルトあたりで……
などと考えたりもしていたが、
大学を卒業後、三井物産に入社して
すでに5年近くも経ち、
しかも、社会人野球チームに
所属していたわけでもない
無名の私に、
まさか指名がかかるとは
夢にも思っていなかったので、
(まさにこれは夢なのだが)
よろこんで
お世話になることにした。
そして3年……。
(夢でもこういう時間の経ち方があることに少しだけびっくりした)
私は背番号「53」をいただき、
打率は2割5分ほどで、
肩こそさして強くないが、
脚の速さを武器に、
小技の上手さと守備範囲の広さ、
さらには練習好きが売りの、
いぶし銀的な選手
として、
一軍で準レギュラーの座にまで
登りつめていた。
代走でもバント要員でも守備固めでも
とにかくチームに必要とされ、
試合に起用してもらえることが
うれしかった。
そして2年……。
やはり、
身長170㎝あるかないかの私は
身体的にプロとして
通用しなかったのだろう。
1年間の二軍生活のすえ、
デイリースポーツの片隅に
顔写真と「戦力外通告」とだけ
掲載される、ひっそりとしたかたちで
現役を引退した。
悔いはない。
満足だった。
ただ、
打席に立つときのテーマ曲に
コルトレーンのジャイアントステップス
あたりの小難しいジャズを採用し、
観客の度肝を抜きたかったのだが、
そんな大胆なことができるだけの
立場でもなく根性もない私は
プリプリのダイヤモンド
で妥協してしまったのが
唯一の心残りだったなあ
……としみじみ考えていたところで
目が覚めた。
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