渡辺浩弐の日々是コージ中
第441回
11月13日「クラウドの内側から」
・情報通信学会主催「国際コミュニケーション・フォーラム」にて講演。クラウド・メッセージングについて。喋りながらその模様をネットブックからニコニコ生放送した。
・例えばニコニコ動画が巨大な何かのしっぽだとして、その怪物の正体は何か、ということを話したかった。みんなでコンピュータとネットをいっぺんに使いまくる。みんなが受信しながら発信しまくる。そういう状態になった時、世界はゆっくりと、ある変化を受け入れていく。
・終了後のパーティーで、学者の方々や、企業の最先端で研究に勤しむ方々とじっくり話ができた。いろいろなことを語る前に実践したいと思っているけれど、こういう場は自分のやってることを外側から見るよい機会だ。
11月14日「実況した方がはかどる」
・深夜4時過ぎからいきなりニコニコ生放送してみた。パソコン画面を表示して、ノベル実況。つまり小説をライブで書いた。
・小説はツイストーリー。ツイッターサイズ(140字)で、ツイスト(オチ)のある小説のこと。パソコンでも、一画面で読み切れることがこの形式に有効だ。
・ツイッターとニコ生を繋ぐ試みをしばらく続けたい。気が向いたら、いつでも始める。ツイッターで告知して、ニコニコ生放送でノベル実況、できた作品をツイッターで公開する。という流れ。
11月15日「がんばれ田渕さん」
・中野ブロードウェイのテーマソングを一緒に作らせていただいた田渕純さん(そうあの『和田弘とマヒナスターズ』の最後のヴォーカル)のお誘いで、新宿のライブハウスに。デリシャスウィートス主催の『デリシャカーニバル』というイベントだ。25年前に僕このステージに出たことがあるよ。雰囲気、当時とほとんど変わってない。
・田渕さんのライブはすごい迫力。必見だよこれは。デリシャスウィートスも、はじめて見たけれどもすごい。かっこいい。100人のファンがいきなり100万人になってもおかしくないほどの爆発力がある人たち。エッジとは最前でありつつ深い穴の縁でもある。そこにうまく足を引っかけて、飛び越えて、一気に行ってほしいです(サブカルの穴に気をつけてって話はこないだ小明さんにも言って煙たがられた)。
・ところで仕様が新しくなってニコニコ動画も貼れるようになったので自分のチャンネルから時々貼ってみますね。こんな感じになりますが、どうでしょう。
第440回
11月6日「下乳の人も来た」
・深見真さんという作家がいる。新刊の『猟犬』には、なんというか筋肉質の美女に胸ぐらを掴まれ一気に読まされてしまうようなパワーがある。この人ともKカフェのおかげで最近知り合うことができ、今日、一緒にニコニコ生放送をすることになった。
・深見さんは『剣闘士 グラディエイタービギンズ』のストーリーを担当していて、このゲームのプロデューサー・広瀬和彦さんとは共通の知り合いなのだ。世界は狭い、というわけではなく、そういうところなのだKカフェは。こういう人、こういう作品を応援することによって、クリエーター情報とゲーム情報を同時に発信する「ニコニコチャンネルGTV」の意図も、打ち出していきたい。
11月7日「新宿で夜更かし」
・新宿ロフトプラスワンにて、飯野賢治さんとヨシナガさんの 「気になること。4」というイベント。夕刻から夜中まではトークショウ形式で、0時まわったあたりから朝までは飲み会形式で。トークショウ部分では二人の視点とアンテナにひっかかってきた絶品ネタが次々と繰り出された。「3D」の話題は、これまでこの題材を扱ったどの番組よりも記事よりも面白かった。3Dカメラ(ファインピックス3D)みたいな新しくてすごいツールが出た時に、それを自分で持ってすぐに街に飛び出していくヨシナガさんのようなクリエーターからの発言が、一番大事なのだ。
・飲み会はあえてネタを決めずにだらだら雑談、という形式。決めておかないことで、予定調和の外側の何かが弾けるんじゃないか、という企みもあったんだろうと思う。それはすごく成功していたみたい。
・一人で行ったんだけど、客席に知り合いが多くて驚いた(具体的に書くとまずいかな)。休憩時間に、飯野さんとも久しぶりにじっくり話せた。そのままの流れで、僕もステージでちょっと(というか2時間ほど)喋らせてもらえた。
11月8日「移動式渡辺浩弐」
・最近のネットブックの軽さと速さと安さはすごい。特に安さは、通信料も含めて一昔前のケータイくらい、つまり高校生くらいでも持っていられるレベルだろう。今始めるならケータイよりこっちの方が現実的なんじゃないだろうか。
・ネットブックにデータカードを刺して「ニコニコチャンネルGTV」に繋いでみた。これでいつでもどこでも、歩きながらでもニコニコ生放送がやれるわけである。というか、やっている。中野ブロードウェイの中をぶつぶつ解説しながら歩いてみたり(屋上のアレも紹介)。6日には本放送の後、深見さんや広瀬さんと飲み会に突入してからその現場をだらだら流してみたり。
・これからは、したい時できる時いつでもいきなり始めようと思っている。が、問題は、それをどう告知するかってことだ。「ニコニコチャンネルGTV 」に入会(無料)してもらえばアラートを送ることができる。
・それからツイッターなら、直前につぶやいてお知らせすることができる。よろしければフォローしておいてください。そうかツイッターってこういう時に便利だね。
・主催者側のお許しが出たので、13日は学会の講演会の現場からやってみますよ。話の内容も、この企みに関係のあること(人類総放送局化計画について)なので、タイムリーなんです。
第439回
10月31日「NBWなら」
・『のせすぎ! 中野ブロードウェイ』(辰巳出版)が発売になった。過去文化の遺跡。未来文化の産地。真逆の機能を同時に果たしているこの特異な場所を深く掘り下げている本だ。
・中野ブロードウェイを本気で愛しているライターや編集者が中心になり、商店街の方々をはじめブロードウェイの当事者をおおぜい巻き込んで、綿密に仕上げられたもの。かなりディープな裏話や秘話までが網羅されている。中央線文化の特性、10年代サブカルチャーの方向性、など、ここから浮上してくる情報は濃厚で有効である。
・今日はブロードウェイ1階特設ブースにて販売。僕の小説のページにサインを入れさせてもらったり。
11月4日「NBWにて」
・Kカフェのおかげで、いろいろなゲーム業界人とも出会ったり、再会したり。イベントやパーティーなどでしばしばお見かけするような方でも、じっくり話ができる機会は貴重だ。そして何かテーマがあればすぐニコニコ生放送。
・今日の出演は中野ブロードウェイで生まれ育ったという村田さん@角川書店、異業種からの参入メーカーならではの濃い話を聞かせてくれた藤尾さん末吉さん@ゼンリン、そして黒川さん@ブシロード、他。黒川さんとはつい昔話をしたくなるけど、未来の話を聞く方がずっと面白いのだ。
・TCGの現状が興味深かった。ゲームやアニメのファンが、そのキャラクターが出てるカードを買うという流れより、カードでキャラクターを知って原作に興味を持つ流れの方が顕著なのだそうだ。
11月5日「NBWから」
・関西大学の富田英典教授が、情報通信学会主催の「国際コミュニケーション・フォーラム」に誘って下さった。今回のテーマは「AR(拡張現実感)技術が拓くモバイルコミュニケーション」。セカイカメラ、実空間透視ケータイ、空気の読めるケータイといった先端ツールに関わっている方々が登壇する。
・僕も少し時間を頂いた。SFが現実にオーバーラップしようとしてる今、現実をさらに加速することによって今度は逆にSF的な状況を包み込んでしまおう、という試みについて。なんでニコニコ動画なんだとかなんでゲームチャンネルなのに作家チャンネルなんだとか、なんで中野ブロードウェイなんだとか、なんで小説家のくせにネット技術の特許なんかとか、最近よく聞かれることに少しだけ答えるようなことを話す予定。
・開催は11月13日(金)、参加費は無料。興味のある人はこちら から申し込みをしてください。