渡辺浩弐の日々是コージ中
第431回
9月4日「すっきり」
・事務所移転完了。たぶん生涯最後の引っ越しだな。皆様、お手数ですがお手元のGTV住所を中野区中野ブロードウェイに書き換えてくださいませ。
9月5日「ノベライブ」
・お台場「東京カルチャーカルチャー」にて、小学館&ニフティpresents『瞬刊リアルタイム~世界で一番速い出版イベント~ 第一号(創刊号)』。雑誌を作る現場を最初から最後までまるごとライブで公開するという企画。ステージ上で対談やマンガ大喜利が行われ、その横ではパソコンをずらりと並べてのテープ起こしやレイアウト作業が行われる。さらにアイドルとカメラマンチームが会場あちこちを移動しながらグラビア撮影。
・僕がやったのは「ノベライブ」。ニコ動でやってる「ノベル実況」の公開版で、つまりステージ上で、小説を書いた。準備なしの状況から、20分間で短編を2本と、長編を1本、仕上げたよ。
・控え室では、マンガ家さんや編集者さんがものすごい勢いで働いていて、すごく面白かった。改めてみんなと話したいなあ。それからアイドルの小明さんは、きれいで、しかも面白くて、びっくりした。すごい人気者で有名人なのに腰が低くて、というか常に謝っていて。現場でサイン即売会をするために著書(『アイドル墜落日記』)を持参されていたので1冊売ってくださいと言ったら「わたしの本なんか変な汁がいっぱいついてますし」とか言う。「汁がベタベタで。それに字が多すぎて読みにくいですし。もうただでいいですよう」。汁が汁が汁がと言いながらその本を自分の綺麗な服でごしごし拭いてから手渡してくれた。それがキャラ作ってるんじゃなくて天然なのである。結局70円引きで買った。
9月7日「本人実況」
・ニコニコチャンネルGTVで、AQインタラクティブ『恐怖体感 呪怨』(AQインタラクティブ/Wii) 。ジャンクハンター吉田さんの人脈で、清水崇監督やゲーム版プロデューサーのがっぷ獅子丸さんも来てくださった。
・ニコニコのゲーム実況は本当に面白い文化になったと思う。その中で僕らにも役割があると思っている。ここで、プロじゃなきゃできないことだって、たくさんあるのだ。
第430回
8月22日「秋到来」
・飼っている鈴虫数十匹が突如同時に鳴き始めた。それに呼応して庭に野生の鈴虫も集まってきた。その音色は微妙にシンクロしてやがて一個の巨大な破鐘を打ち鳴らすような大音響となった。うるさく感じられないことは不思議だ。
8月28日「突出するシーン」
・「国際3Dフェア 2009in TOKYO」実行委員会の定例ミーティング。10月22日からのイベントにいくつか出演することになった。若いクリエーター、それも他ジャンルから「3D」というテーマで映像業界に斬り込んで来ている人達と、いろいろな話をしてみたいと思う。
・ライブも、双方向も、今はネットで出来るのだが、3D映像については今のところはやはりイベントに来て先端ハードウェアに触れてほしいと思う。ただし、3Dの生放送もそのうちに一般化するだろう。ハードの家庭への普及を待つ必要はない。現場から、3D対応の映画館に衛星配信するのだ。
9月1日「引っ越し」
・オフィスの引っ越し中。今まで、中野ブロードウェイのカフェで執筆作業や打ち合わせを、神楽坂のオフィスで会社の事務仕事を、東西線を行ったり来たりしながらやっていた。中野ブロードウェイ内の別の場所に割と広いスペースが見つかったので、オフィスもそちらに引っ越してしまうことにしたのだ。
・カフェのニコ生システムに、オフィスに置いてある映像編集機材を直結することができる。今後、新しい放送の実験をいろいろやってみようと考えている。打ち合わせやブレストの風景なんかも、生放送してみようかな。
第429回
8月19日「ウォーターメロンブレイン」
・高橋名人の自伝「公式16連射ブック 高橋名人のゲームは1日1時間 (ファミ通ブックス)」が届いた。四半世紀前の話だが高橋名人の映画に関わっていた縁で、インタビューに答えさせてもらった。秘芸スイカ割り誕生の秘密、など。
・高橋さんは昔、本当に八百屋でスイカを売ってたのだ。あのアイデアは、高橋さんが、スイカを切らずに指で表面を叩くだけで中身の詰まり方や甘さを確かめる技を教えてくれたことがきっかけで生まれたのだった。
8月20日「下品さギネス級」
・『ザ ハウス オブ ザ デッド:オーバーキル (セガ)』サンプルをプレイ(9/17発売)。うひゃひゃひゃ。HOTDシリーズのWiiオリジナル版だが、イギリスの、相当にぶっとんだセンスのチームが制作したらしく、いい感じで脳みそ溶けそうな仕上がり。
・色あせたフィルムの雰囲気を再現した画像で、身も蓋もない殺戮が繰り広げられる。60~70年代アメリカの深夜映画館やドライブイン・シアターで、酒飲んだりペッティングしたりする若者達の照明として使われつつ過激に進化してしまったグラインドハウス映画への、というかそれを再発見したタランティーノ監督への、リスペクトに満ちている。
・主人公もものすごく下品で、のべつまくなしに「嫉妬!」だの「不惑!」だのと叫び続ける。ギネスに「世界一汚い言葉を使ったゲーム」として認定されたゲームなんだそうな。
8月21日「食料自給率100%への道」
・東京都心で、狭い空間でできる自給自足の方法をいろいろと調べたり試したりしている。例えば、屋根や床に穴を開けたりしながらの一軒家農業。例えば、食用昆虫を飼育する小型牧場。
・最近、知ったこと。雑草を食えばいい。東京の路地裏や道ばたに生えているような雑草でも、約半分くらいの種類は、食べられるのである。汚染されていないものを安定的に収穫する方法が難しいが、これを極めたら、エンゲル係数は一気にゼロとなる。