「世界一長い食用キノコ」を作った男たちの苦悩 59㎝でギネス世界記録に認定

「感動をありがとう!」なんて言葉はお約束すぎるが、世界で活躍する日本人を見ると励みになるのは否めない。まだまだ知られていないが、世界に誇るニッポンのナンバーワン中小企業を紹介しよう。

59㎝でギネス世界記録に認定!最も長い食用キノコ【ホクト】


最も長い食用キノコ【ホクト】

世界一長いキノコの栽培を担当した、長野県にある「きのこ総合研究所」の所員たち

 エリンギやぶなしめじなど、キノコの開発から販売まで一貫して行うきのこ総合企業・ホクトは、’14年7月22日に創立50周年を迎えた。その記念事業の一環として始まったのが「世界一長い食用キノコを作る」というギネス世界記録への挑戦。開発を担当したのはきのこ総合研究所所員たちだ。

「巨大キノコを1つ作るのに、2か月ほどかかります。測定の日は創立記念日と決まっていたので、企画が決まった’13年12月からの4か月間はとにかく試作続き。気温や湿度、培地など環境条件を変えて100個以上は試しました。キノコは1週間しか持たないため、測定日に合わせて作らなければならないところに苦労しましたね」

 測定日までにいくら大きなキノコができても無駄だし、キノコは菌類という生き物なので、うまく成長するかどうかわからない。さらに、チームリーダーの髙野克太氏には別の不安もあったそう。

「当時のミーティングでは、ギネス世界記録が取れる体で話が進んでいくんです。『新聞記者が取材に来る』とか、『くす玉作ろう!』とか、周りはそんな話でどんどん盛り上がっていき、すでに“できて当然”みたいな雰囲気……。でも、研究所ではまだメドもついていない状態だから、ミーティングではずっと俯いていました。もう夢にも出てくるくらいで気が気じゃなくて(笑)、夜中や休みの日にも、何度も見にいっていました」

⇒【画像】はコチラ http://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1033874

最も長い食用キノコ【ホクト】

長さ59㎝、重さ3580gの巨大エリンギ。通常のものより少し硬いが、味は同じだそう

 今でこそ笑い話だが、当時の心労は計り知れない。測定達成の日、髙野氏は思わず涙をこぼしたという。キノコ研究の魅力とは?

「自分の技術が導入され、実際に商品が販売されるとやっぱり嬉しいですね。今は、シイタケ・ホンシメジの大量生産に向けた技術開発、人工栽培では成功事例のない松茸など、さまざまなキノコの研究に日々挑戦しています」

― [世界一な日本人]を探してみた ―

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