中国の日本菓子モドキを毒味した…偽おっとっと、偽雪見だいふく、偽コアラのマーチ
排水溝から作った下水油や毒ミルク事件など、命にかかわる食品偽装が横行している中国。もはや現地では、国産食料品の信頼は地に墜ち、特に子供の口に入れる菓子類などは、少々割高でも外国メーカー産の商品が好まれている。しかし一方では、「外国メーカー産モドキ」も市場に多数出回っているという。そこで取材班は広東省のある庶民的なスーパーで、日本メーカー産と思しき菓子類をいくつか買ってみたのだが……。
まずは集合写真中央の、コアラのマーチ風(約180円)を見てほしい。箱に書かれた商品名を見ると、その名も「EDO PACK」であるが、生産元は広東省江門市。れっきとした中国産なのだった。ところが箱には日本語で「ベアのチョコお菓子」とかかれている。よく見ると「ベア」の文字が若干大きく、なんだか「コアラではない、ベア(熊)だ。文句あっか?」と言っているかのようである。
中身は予想通り、熊をかたどったビスケットのコーティングの中にチョコレートが詰まったもの。熊のプリントが薄く、個体によっては消えかかっているのがなんだか寂しい……。味のほうは、本家コアラのマーチよりもビスケットが分厚く、チョコレートの味は薄い感じだ。
【拡大画像】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=203202
次に食べてみたのは、写真右端の見るからに「おっとっと」風のスナック(約60円)だ。商品名の「好多魚」は、和訳すると「お魚いっぱい」といったところか。魚介類をかたどったスナックなのは「おっとっと」と同じだが、味はグリコのトマトプリッツのよう。生産地は河北省となっているが、メーカーはチョコパイで有名な韓国企業の「オリオン」であった。韓国メーカーのパクり菓子が中国で生産・販売しているということか。
【’拡大画像】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=203203
続いて集合写真手前の雪見大福風アイス(約70円)を開封してみる。アイスの部分が紫色なのは、紫芋かと思ったが葡萄色素によるもの。なぜわざわざこんな色にしたのかは謎である。また、求肥の部分がやたらとドロドロで、食感も臭いも熱で溶けたプラスチックのよう……。これこそ体に悪そうだ。ちなみにこちらも産地はEDO PACKと同じ広東省江門市だった。
【拡大画像】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=203204
今回買い集めたなかで最も美味しかったのが、集合写真左端の「サーモン寿司味」だ。商品名は日本語で書かれてあるが、やはり生産地は広東省広州市となっている。
この商品は、プレーンのポテトチップスに、付属の「サーモン味調味料」なるパウダーをふりかけ、シェイクして食べるという凝ったもの。食べ方には日本語で「左ふりふり右ふりふり」と書かれてあった。コピーとしてはそんなに悪くはない(笑)。筆者も指示のとおり「ふりふり」して食べてみたが、サーモンの味はまったくせず、なぜこのネーミングになったのかは不明だ。しかし、鼻にツーンと来るわさびの風味は、湖池屋のわさビーフにも似ており、日本人の口にも合いそうだ。
【拡大画像】はコチラ⇒https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=203205
ということで、今回購入した5点はすべて日本メーカー産ではなかったことが判明した。しかし中国の消費者のなかには、日本ブランドだと信じて買っている人もいないとは限らない。こうした日本メーカー産モドキがひとたび食品事故を起せば、日本のブランドイメージに傷がついてしまう結果になるかもしれない!?
【取材・文・写真/ドラゴンガジェット編集部】
ガジェット好きのライターや編集者、中国在住のジャーナリストが中心メンバーとなり、2012年1月から活動を開始。東京と深セン、広州を拠点に、最新の話題をお届けする。
【関連キーワードから記事を探す】
「日本人同士は助け合いが必要だ」――46歳のバツイチおじさんは美女を魔の手から救い出そうとした 〈第6話〉
日本人初ミシュラン3ツ星店スー・シェフが考える「ヴィーガン料理」の意味
サイゼリヤ店員が選ぶ、食べたい/食べたくないメニュー。定番商品を抑えての1位は…?
サイゼリヤ飲み会がコスパ最強。一人2000円以下で実質飲み放題!?
タピオカバブル乗り遅れ組が熱視線。次は“びっくり焼き”がくる!?
伝説のグルメ漫画『OH!MYコンブ』が復活。レシピ本は40倍のプレミア価格
全国市区町村の“自虐ポスター”。人が来ないから笑うしかない
ラーメン屋の店名、なぜポエム?「雨は、やさしく」「バカみたいに愛してた」店主に聞く
「サザエさんじゃんけん」に異常事態発生!勝率8割超えのマニアが分析
楽天銀行ロック支店、サンバ支店…ユニークすぎる支店名の由来を広報に聞いた
「食べると尿意が消える」ボンタンアメがSNSで反響止まらず。真相を担当者に聞いてみた
「大手菓子メーカー」は軒並み苦しい状況…“値上げラッシュ”で苦境を乗り切れるか
節約マニアはこっそり注目している「菓子メーカーのお得すぎるキャンペーン」
工場の人だけが知っていた‟チョコボールの一番美味しいところ”とは?
渋野日向子の好物「タラタラ」ほか、名選手が好きな意外なお菓子たち
偽エルメスのバッグはこうして売られている…店主の謎の一言「“帽子”あるよ」の意味とは?
「改造B-CASカード」を検証。本当に全部タダで映るの? 不正視聴の代償は?
タイのアンドロイド製「iPhone7」が完コピすぎ。注目のAirPodsも付属品に!?
祝・上海ディズニーランド開業に学ぶ驚愕のマーケティング術【コラムニスト木村和久】
“ニセモノ天国”中国は偽造・偽装が当たり前。領収書、証明書、チケットまで…
松井稼頭央・西武ライオンズヘッドコーチが「速読脳トレ」でさらなる脳力アップ⁉
<漫画>あずきバーで釘を本当に打てるのか?やってみた
「電動シェアサイクル」を乗り継ぎ東海道を制覇できるか?
Amazon激安自転車を安価な中華パーツでグレードアップ
ねるねるねるね、お菓子の盆栽。大人もハマる「知育菓子」の魅力