更新日:2022年07月10日 11:21
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空き巣被害、9年連続で全国ワースト1となった名古屋のセレブタウン。金沢の高級住宅街も被害が増加中

 田園調布、芦屋、南山……庶民の羨望と嫉妬の的となってきたセレブタウンであるが、その一部が今、落ちぶれているという。住民は口を開けば「住みづらい」の大合唱。一体何が起きているのか? 実態を追った。

<中部・北陸>街の“神聖性”低下で空き巣被害が増加中?

【昭和区南山】
南山交差点(名古屋市昭和区)

南山交差点(名古屋市昭和区) 撮影/Umako ※写真はイメージです

「空き巣が増えた。住民が年をとって監視の目が行き渡らなくなったのと、泥棒が身を隠せる空き家が増えたのが原因かもしれない」  トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長の邸宅があることでも知られる名古屋市昭和区南山で長年、自治会員を務めてきたという80代の男性は憤然として語る。  昨年の名古屋全体での重点罪種(強盗、ひったくりなど)の認知件数は前年比13.6%減だが空き巣被害は9年連続全国ワースト1。ここ南山でも一部の住人は肌感覚で治安の悪化を感じている。  昨年、空き巣未遂に遭ったという60代の女性は「ここ数年でお向かいと右隣、後ろのお宅がやられていて、ウチは被害に遭ってないのが自慢だったのに」と悔しがる。  そんな状況にもかかわらず、セコムなどの防犯サービスに加入するつもりはないという。理由は「鍵を他人に預けたくないから」。空き巣増加はセレブタウンへの“神聖性”の低下の反映と言えるが、一部住民の反応はいまだ世間と乖離している。
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古き良き街並みの金沢が…
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