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日本の製薬会社が抱えている「2020年問題」とは?

日本の患者の“安かろう悪かろう神話”にスキあり

 しかし、いくら海外のジェネリック薬品が出たとしても、実際に国内の製薬会社の売上が大きく落ち込むことなどあり得るのだろうか? 「ジェネリック薬品の普及率は数量ベースで日本は40~50%程度、欧米では70%を超えています。この差の理由は、欧米は政策として医療費抑制のためにジェネリック薬品を推奨しているから。アメリカでは民間保険の制度上ジェネリック薬品が普及しやすいんです。  国民皆保険制度を維持している日本は、薬が高価だとしても平等な医療を受けることができる。また、患者側の“安かろう悪かろう神話”がいまだ根強いこともあり、なかなか普及していない。それだけ海外の企業にとっては、日本は高価な新薬を気前よく消費してくれる“オイシイ市場”なわけですが」(同)  このように日本の製薬市場では先発品が安価なジェネリック薬品に駆逐されるのに十分な状況があることに加え、欧米などの製薬会社は自社開発の新薬をジェネリック薬品事業でも展開し、最後まで収益をきっちり回収する体制も万全。  いっぽう、国内では某有名ジェネリックメーカーですら2017年にやっと海外の市場開拓を始めるという段階。海外の市場に日本企業が入り込む余地はないかもしれない。

バイオ分野開発の遅れを懸念する声も

 また、従来の製法による新薬開発はすでに出尽くした感があり、世界的にバイオ技術による製薬の研究開発へ舵を切りつつあるという指摘も多い。 「欧米諸国だと新しい医薬品開発を専門にするベンチャー企業も多く、大学や研究期間とも密接な連携が取れています。基礎研究や開発費を比較すると日本企業が出遅れている感は否めないですね。それに関しては影響力の強い医師会と製薬会社との癒着も一因でしょう。日本で最もバイオ薬品に強かった某製薬企業も外資系企業に事実上、買収されてしまいましたから」(同)  国内製薬会社が今後生き残っていくためには、ジェネリック薬品事業・バイオ分野での新薬開発へ大きくシフトチェンジを図る必要があるようだ。<取材・文/日刊SPA!取材班>
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