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自衛隊の貧乏な日常生活「駐屯地のトイレットペーパーは隊員が自腹で購入している」/連載 第1回

 この喜悲劇の裏には政府の極端な節約と貧乏すぎる自衛隊の実態が見えてきます。  日本の官公庁の予算は、財務省の作る予算の天井、シーリングによって前年度より必要でもその天井を超えないように管理されています。自衛隊の任務は次々と多様化しましたが、その予算は10年前と変わらない水準で正面装備にお金をかけるが、それを動かす補給や兵站を犠牲にして成り立っているのは明らかです。  主要な任務、日本の領海領土を守ることを主目的とする自衛隊では、それ以外の予算を徹底的に削っています。トイレットペーパーがないのもその1つです。  トイレットペーパーなどの消耗品の予算は、備品調達予算と呼ばれています。備品調達予算では、トイレットペーパーは事前に1人1回45cmから50cmで計算されています。でも、そんな定量で多くの人が使う消耗品が済むはずがないですよね。人によって使い方は違うし、物差しをもってトイレに入る人はいませんもん。  足りない分はどうするんでしょうか? 比較的予算が潤沢な空自以外はペーパーに困っています。陸自は隊員が各々マイトイレットペーパーを持ち歩いていることも多いようです。海上自衛隊では最初から足りないのだから、隊員が先にみんなで個人からお金を集めてトイレ募金をプールして、トイレットペーパーを買って備蓄補充するシステムをつくっています。見かけ上ペーパーはなくならないが自腹であることに変わりはありません。  ほかの官公庁でトイレットペーパー自腹現象を見たことはありませんから、防衛省の予算が最も(必要でも)削られ抑えられているってことになります。 「自衛官は軍人としての威厳と誇りを持つべきだと思います。せめてトイレットペーパーくらいは自由に使える予算に増やしてあげて~」と祈っているのです。<文/小笠原理恵>国防ジャーナリスト。関西外語大卒業後、広告代理店勤務を経て、フリーライターとして活動を開始。2009年、ブログ「キラキラ星のブログ(【月夜のぴよこ】)」を開設し注目を集める。2014年からは自衛隊の待遇問題を考える「自衛官守る会」を主宰。自衛隊が抱えるさまざまな問題を国会に上げる地道な活動を行っている。月刊正論や月刊WiLL等のオピニオン誌にも寄稿。日刊SPA!の本連載で問題提起した基地内のトイレットペーパーの「自費負担問題」は国会でも取り上げられた。9月1日に『自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う』(扶桑社新書)を上梓

自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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自衛隊員は基地のトイレットペーパーを「自腹」で買う

日本の安全保障を担う自衛隊員が、理不尽な環境で日々の激務に耐え忍んでいる……

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